研究主体
京都大学工学研究科 建築学専攻
代表者
林 康裕(京都大学工学研究科・教授)
メンバー
吹田 啓一郎(京都大学工学研究科・教授)
杉野 未奈(京都大学工学研究科・助教)
日本は地震活動期に入ったと言われています。1995年には兵庫県南部地震が、2011年には東北地方太平洋沖地震が発生し、甚大な人的・物的被害が発生しました。今も、その傷跡が地域に影を落としています。今後、南海トラフを震源とする巨大地震が、その発生前後には全国各地で内陸地殻内地震の多発が懸念されています。我々は、地震被害を少しでも軽減するための、デザイン・プロジェクトを推進しています。
今後発生する地震においては、建築基準法で規定されているよりも遥かに強い地震動が建物を襲う可能性があります。特に、大阪市中心部直下を走る上町断層帯の地震が発生した場合には、多くの超高層建物に深刻な影響が生じかねません。本プロジェクトでは、上町断層帯の地震で発生する地震動特性の分析、超高層建物に予想される被害の予測、地震対策法の検討、大振幅地震動に対する設計法の開発などを、関西地域の実務者と協働し、産学主導で行っています。そして、その成果は、マスコミなどにも取り上げられ、社会から注目を集めています[1],[2]。
一方、兵庫県南部地震では、木造住宅の倒壊によって多くの人命が奪われました。しかし、全国各地には地域特有の構造的特徴を有する伝統的木造住宅が現存しています。このような伝統木造住宅を大振幅地震動から守り、地域の住文化も守っていく必要があります。本プロジェクトでは、全国各地の伝統的木造住宅の構造的地域性をフィールド調査によって明らかにするとともに、その構造的特徴を十分考慮可能な合理的な耐震診断法や耐震補強法の開発を行っています。また、調査を行った地域の行政・技術者・住民を対称とした報告会や説明会を実施し、研究成果のアウトリーチ活動を積極的に行っています。
出版・受賞など
Organization
Department of Architecture and Architectural Engineering, Graduate School of Engineering, Kyoto University
Project Leader
Yasuhiro Hayashi (Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)
Members
Keiichiro Suita (Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)
Mina Sugino (Assistant Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)