研究主体
京都大学工学研究科 建築学専攻
代表者
門内 輝行(京都大学工学研究科・教授)
メンバー
酒谷 粋将(京都大学工学研究科・研修員、日本学術振興会特別研究員PD)
20世紀から21世紀にかけて、工業社会から知識社会へと大きく変容し、その中を生きる人間には、ダイナミックに変化する複雑な問題を他者と協働して解決するための「21世紀型スキル」を身に付けることが強く求められている。このため、多様な局面で「学び」や「学びの場」への関心が高まっている。本プロジェクトでは、こうした知識社会で求められる「集団による学び」を可能にする「学びの場」のデザインを多主体(未来を担う子どもや学生を含む)と協働して実践するとともに、そのデザイン方法を探究する。
実績としては、「京都大学デザインイノベーション拠点」(2013年)と「京都市立洛央小学校ブックワールド」(2014年)という2つのデザイン実践に基づく研究がある。前者は、横断領域的なアプローチを身に付けるアクティブ・ラーニングの場をデザインしたものであり、後者は、既存の図書室を単に静かに本を読むだけの場から、作品を発表したり、絵を描いたり、パソコンで調べものをしたりといった多様な集団の学びを実践できる場へとリ・デザインしたものである。
特に、ブックワールドプロジェクトでは、6年生全員が言葉・絵・模型等によって多くのアイデアを表現し、それをもとに大学の研究室で図面や模型(1/10子どもが中に入れる巨大模型を含む)を作成し、そこに子どもたちがアイデアを重ねていく「対話によるデザイン」を展開することにより、集団の学びとしてのアクティブ・ラーニングを可能とする未来指向の図書スペースを実現したものである。このプロジェクトはマスメディアでも大きく取り上げられ、2015年8月には第9回キッズデザイン賞の「優秀賞 経済産業大臣賞」を受賞したことは特筆すべきことである。
こうしたデザイン実践における多主体の対話によるデザインプロセスを記号過程として分析することにより、デザイン主体の創造力を育むデザイン方法を構築する。
なお、これらの活動は、異領域(情報学、工学、心理学等)の専門家、教育関係者(洛央小学校教員、京都市教育委員会)、地域団体(有隣教育財団)、家具・インテリア企業(内田洋行、パワープレイス)等の分野融合・産官学連携・地域連携によって可能になったもので、集団による学びの場という新たな社会を創出するデザイン実践と言える。
関連URL
http://www.design.kyoto-u.ac.jp/facilities/de_inn_center/
http://www.monnai-lab.archi.kyoto-u.ac.jp/index.html
http://research.kyoto-u.ac.jp/documentary/bookworld/01/
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/events_news/department/kougaku/news/2015/150803_1.html
出版・受賞など
Organization
Department of Architecture and Architectural Engineering, Graduate School of Engineering, Kyoto University
Project Leader
Teruyuki Monnai (Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)
Members
Suisho Sakatani (Researcher, Graduate School of Engineering, Kyoto University, JSPS Research Fellow)
Related URL
http://www.design.kyoto-u.ac.jp/facilities/de_inn_center/
http://www.monnai-lab.archi.kyoto-u.ac.jp/index.html
http://research.kyoto-u.ac.jp/documentary/bookworld/01/
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/events_news/department/kougaku/news/2015/150803_1.html
Publications and Awards