研究主体
京都大学 学際融合教育研究推進センター デザイン学ユニット
代表者
中小路 久美代(京都大学 学際融合教育研究推進センター デザイン学ユニット・特定教授)
メンバー
岡田 猛(東京大学大学院教育学研究科・教授)
川嶋 稔夫(公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科・教授)
木村 健一(公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科・教授)
山本 恭裕(京都大学 学際融合教育研究推進センターデザイン学ユニット・特定教授)
新藤 浩伸(東京大学大学院教育学研究科・講師)
影浦 峡(東京大学大学院教育学研究科・教授)
ミュージアムの原型はcabinet of curiositiesであると言われている。本プロジェクトでは、ミュージアムにおける、このような触発される体験に着目した。プローブベースのフィールドスタディを通して、触発する体験のためのインストゥルメント(道具立て)とコンセプト(言葉)をデザインするアプローチをとった。
LEDを用いた模擬蝋燭を用いた照明を落とした展示室での日本画鑑賞や、即興ダンスを用いた現代彫刻を鑑賞するワークショップといったプローブを用いて、触発する体験につながっていると考えられる展示のフィーチャーを同定した。フィールドスタディで観察したいくつかのミュージアムにおいては、学芸員、来館者、市民ボランティアといったミュージアムに関わる人々が、触発され、その結果として表現を創り出し、そのようにして創り出された外在化表現がまた別の人を触発するといった、触発の循環が生じる場として機能している様子を観察した。主として教育担当学芸員を対象とする定量的、定性的調査によって、地域の学びの場やコミュニケーションのハブといった機能を学芸員が期待している様子が見て取れた。
本プロジェクトでは、展示物を能動的に見ることを促す仕組みや、展示物の極めて微細な部分やごく一部だけを見ることを促す仕組みといった、触発するミュージアム体験のためのフィーチャーを同定した。そして、市立函館博物館との密接な連携を通して、ガラスケースの中に展示物を展示し来館者が鑑賞している様子自体をガラスケースの外から見る設えや、展示物の高解像度近影写真を等サイズの矩形に分割したパズルといったインストゥルメントを構築した。
本プロジェクトはJST戦略的創造研究推進事業(問題解決型サービス科学研究開発プログラム)の助成を受けた。構築したモデルを利用して、触発する体験をミュージアムの学芸員らが作り出し、記述し、それについて語ったり比較したりすることを展望している。
出版・受賞など
Organization
Unit of Design, Center for the Promotion of Interdisciplinary Education and Research, Kyoto University
Project Leader
Kumiyo Nakakoji (Professor, Unit of Design, Center for the Promotion of Interdisciplinary Education and Research, Kyoto University)
Members
Takeshi Okada (Professor, Graduate School of Education, The University of Tokyo)
Toshio Kawashima (Professor, Department of Media Architecture, Future University Hakodate)
Ken-ichi Kimura (Professor, Department of Media Architecture, Future University Hakodate)
Yasuhiro Yamamoto (Professor, Unit of Design, Center for the Promotion of Interdisciplinary Education and Research, Kyoto University)
Hironobu Shindoh (Lecturer, Graduate School of Education, The University of Tokyo)
Kyo Kageura (Professor, Graduate School of Education, The University of Tokyo)
Our MESS (Museum Experiences and Service Science) project views a museum as a space for inspiration, where a variety of stakeholders (curators, scientists, designers, artists, volunteers, students, and citizens) engage in inspirational communication through collective creative processes. We have designed and set up probes in a museum exhibition as a way to investigate how visitors get inspired at a museum. The applied probes include LED-lit candles and a tea ceremony house for viewing old Japanese paintings, an improvisational dance workshop for appreciating an abstract modern-art sculpture, and an improvisational drama workshop for reading old family correspondence. The probe-based instrumentation study has led us to identify a set of features for inspiration, and built several instruments for inspiring museum experience.
Publications and Awards