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文化的景観遺産保全のための「フィールドスクール」とその計画論 Field School and its Planning Theorization to install the Evolutive Conservation of Cultural Landscape Heritage

研究主体
京都大学工学研究科 建築学専攻
ガジャマダ大学工学部建築 計画学部

 

代表者
神吉 紀世子(京都大学情報学研究科・教授)

 

メンバー
ラレトナ T. アディシャクティ(ガジャマダ大学・講師, 遺産保全センター主査)
Titin Fatimah Irmawan(タルマナガラ大学・講師)
Catrini Pratihari Kubontubuh(インドネシア・ヘリテージ・トラスト・副代表)

 

本プロジェクトは、世界最大の仏教寺院遺跡としてしられるインドネシア・中部ジャワのボロブドゥール寺院遺跡群(ユネスコ世界文化遺産)の周辺農村地域において、Cultural Landscapeの保全プログラムに関して研究を行ってきた京大・ガジャマダ大の研究者と地域コミュニティ・NPOが共同で10年にわたって開催してきた連続フィールドスクールプログラムである。以前より世界的に問題とされてきた遺跡に関わるマス・ツーリズムの拡大・大スケールの商業活動集積等からくる環境破壊問題に対して、世界遺産登録されている寺院遺跡群だけに集中するのではなく、歴史的農村集落である地域のもつ歴史・文化的蓄積の重層性全体を再評価し、その地域の成り立ちをCultural Landscapesとして認識・知覚しなおし、それらの保全と一体化する地域づくりのあり方(オルタナティブ・ツーリズムのあり方を含む)を、多様な分野・活動属性からの参画者による研究を通じて議論をしつつ、とりわけフィールドスクールというプログラムを通じて、その議論の地域づくりへの適用実質化や国際的かつ地域密着的な発信・周知をはかる方式を、保全のための計画論の1つとして提示することに至ったもので、この間実際に地域では農村集落でのコミュニティ主導の環境業の導入や寺院遺跡以外の多様な有形無形の文化遺産の認識が広まることに貢献している。

 

Borobudur as Cultural Landscape 実施者チームで執筆されたスクール活動の実績

これらは途中、メラピ火山噴火災害等の時期をはさみつつ(その降灰被害からの復興にもこのスクールプロジェクトの参画者である地域組織が活躍している)、10年の継続をみたことから2014年度末にその知見と活動履歴をまとめた書籍を出版している(日本学術振興会の助成、京都大学学術出版会の支援を得ている)。出版後はガジャマダ大学およびボロブドゥール地域での出版記念ミーティングも開催し、今後さらにインドネシア・ヘリテージ・トラストの年次総会、中国湖南大学での国際会議でも招待講演の予定である。
地域の重層的な歴史・文化的蓄積を総合的に評価するCultural Landscapeの認識とフィールドスクールを通じた保全実装の計画論の提案は、その後いくつかの別の実践地への応用がみられ、日本国内では、国選定重要文化的景観(またはその準備地域)でのコンパクトバージョンでの開催、2015年度からは、インドネシア・バリ島(棚田と水利システムを中心にCultural Landscapeとして世界遺産登録されている)での新規開催に展開しており、このうちバリ島でのフィールドスクールは、デザイン学プログラムの中の「フィールドインターンシップ」としても位置付けられている。

 

Borobudur Field Schoolの基本的なプログラムの様子

関連URL
https://borobudurfieldschool.wordpress.com/
https://www.facebook.com/Cultural.Landscape.AIJSubCom(日本側協力者が所属する日本建築学会農山漁村文化景観小委員会のFBサイト。Borobudur Field Schoolから応用して日本国内で実施されたスクールやバリ島でのスクール、Cultural Landscapeに関わる国際交流の情報を掲載)

 

出版・受賞など

  1. Borobudur as Cultural Landscape – olutive Conservation of Pusaka Saujana BOROBUDUR, Kiyoko Kanki, Laretna T.Adishakti, and Titin Fatimah (Ed.), Kyoto University Press, 232pp., 2015
  2. 第14回日経アジア賞(文化部門) ラレトナ・アディシャクティ,2009年
  3. 日本都市計画学会年間優秀論文賞 ティティン・ファティマ,神吉紀世子:インドネシア・ボロブドゥール地方・チャンディレジョ村にみるコミュニティ主導型のグリーンツーリズムの実現プロセスに関する研究,2008年

Organization
Department of Architecture and Architectural Engineering, Graduate School of Engineering, Kyoto University
Department of Architecture and Planning, Faculty of Engineering, University of Gadjah Mada

 

Project Leader
Kiyoko Kanki (Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)

 

Members
Laretna T. Adishakti(University of Gadjah Mada・Lecturer, Chair of Center for Heritage Conservation)
Titin Fatimah Irmawan(Lecturer, Dept. of Architecture, Tarumanagara University)
Catrini Pratihari Kubontubuh(Vice President, Indonesia Heritage Society)

 

Related URL
https://borobudurfieldschool.wordpress.com/
https://www.facebook.com/Cultural.Landscape.AIJSubCom

 

Publications and Awards

  1. Borobudur as Cultural Landscape – olutive Conservation of Pusaka Saujana BOROBUDUR, Kiyoko Kanki, Laretna T.Adishakti, and Titin Fatimah (Ed.), Kyoto University Press, 232pp., 2015