産学連携型認知デザインワークショップは、企業とデザイン学大学院が連携して、人の認知とデザインに関連する場を提供し、社会における課題を解決するためのデザイン手法を実践的に学ぶためのワークショップです。
今回は、組織行動学・産業組織心理学の知見を蓄積しながら、人材育成に関わるサービスを提供する、株式会社リクルートマネジメントソリューションズと協働し、「仕事における経験からの学習と成長」をテーマに開催します。
講師:今城 志保(リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所・主幹研究員)
京都大学を卒業後、国内外の大学院で研鑽しながら、リクルートで最先端の研究を行ってきた講師からは、
・新入社員は、どのように必要な知識・規範・価値観などを獲得して、組織に適応していくのか
・仕事での経験から形成された持論は、その後の仕事にどのように役立つのか
・中高年ホワイトカラーの転職において、これまでの職場経験で育んだスキルは、どのように適応と
結びつくのか
など、経験からの学びと適応に関する研究知見をご紹介いただきます。
そして、これらの知見を踏まえながら、変化する環境の中で活躍できる人材を育むために、仕事での経験を効果的に学習や成長につなげる方策を皆さんと一緒に考えます。
自分の人生における仕事のあり方を考えたい方、経験を通じた人の成長に関心がある方のご参加をお待ちしています。
日時:2018年3月16日(金)14:00~17:00
場所:京都大学 百周年時計台記念館 会議室III
時計台記念館のアクセス(マップ3番)
費用: 無料
定員: 30名(予定)
対象: 京都大学学生・教職員
参加申込:下記サイトよりお申し込みください。
https://goo.gl/forms/nz5bCOxBHCa45sUB2
申込締切:3月8日(木)17時まで
タイムスケジュール:
14:00~15:00 講師からのプレゼンテーション&グループディスカッション
15:00~15:20 ブレーン・ストーミング1(詳細は当日にお伝えします)
15:20~15:35 中間発表
15:35~15:45 休憩
15:45~16:30 ブレーン・ストーミング2(詳細は当日にお伝えします)
16:30~ 最終発表
16:50~ 講師からの講評・まとめ
17:00 終了
講師略歴:
京都大学教育学部卒業後、リクルート入社。ニューヨーク大学で産業組織心理学を学び修士を取得。
研究開発部門で、能力や個人特性のアセスメント開発や構造化面接の設計・研究に携わる。
2012年に東京大学社会心理学博士課程後期満期退学。2013年に社会心理学で博士号を取得。
現在は個人のアセスメント以外に、中高年ホワイトカラーのモチベーションや、職場の信頼に関する研究などにも従事。
実行委員会:
リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所・主幹研究員 今城 志保
京都大学大学院 教育学研究科 楠見 孝、野崎 優樹
お問い合わせ:野崎 優樹(京都大学大学院 教育学研究科)
nozaki.yuki.6z[at]kyoto-u.ac.jp([at]を@に変えてください)
報告:
仕事は私たちの人生の中で大きな位置を占める要素の1つである。今回の講座では、変化する環境の中で活躍できる人材を育むために、仕事での経験を効果的に学習や成長につなげる仕組みを考えるワークショップを実施した。参加者は、デザイン学本科生2名、デザイン学予科生2名、学内参加者10名の計14名だった。
まず、参加者同士で、自分が実際に体験した「経験からの学び」を共有するとともに、様々な経験からの学びを分類するための枠組みを考えるグループワークを行った。その後、リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所主幹研究員の今城志保氏より、「新入社員の組織社会化」や「ホワイトカラーの仕事の持論」など、これまで今城氏自身が行ってきた、産業・組織心理学の最新の研究知見をご紹介いただいた。そして、ここまでの内容を踏まえながら、経験からの学びを促進するための教育プログラムを考えるワークショップを行った。
参加者を対象とした事後アンケートでは、「今回のワークショップを通じて、組織社会化や仕事での学びといった大きなテーマに対して産業心理学がどのようにアプローチしているのか、その一面を知ることができた」、「大人の経験学習のプロセスに思いをはせるのは新鮮だった」といった感想が見られ、産業組織心理学の知見を踏まえながら、これからの仕事での経験を成長に結びつける在り方を思い描く充実したワークショップとなった。