現代社会において、お金の取り扱い方法が大きく変化しようとしています。特に、金融分野における情報通信技術(ICT)の利用は多岐にわたっており、金融情報システムの変化こそがお金の取り扱い方を変化させる本質的な力を生み出します。そのため、この金融情報システムをどのようにデザインするかが、我々の将来のお金の取り扱い方に強く影響を与えることになります。
この金融情報システムが変化しようとする中、本ワークショップでは将来のお金の扱い方をテーマに、銀行システム(ATM)を取り上げ、デザイン思考により金融情報システムを考え、デザイン思考を体験するワークショップを日本総合研究所様とともに開催します。
金融情報システムの仕組みに関するレクチャー、金融情報システムの参与調査やプロトタイピングを通じてグループワークを行います。
先着15名まで参加可能です。どうぞ奮ってお申し込みください。
日時:2017年12月16日(土)13:00~18:00
場所:京都大学 デザインファブリケーション拠点(研究実験棟151室)
デザインファブリケーション拠点のアクセス
対象:京都大学学部生、大学院生、デザイン学予科生・本科生
定員:15名
参加費:無料
申込:12月8日(金)締切
メールにて佐藤 彰洋(京都大学大学院 情報学研究科)まで申し込んでください。
メールには氏名、所属、学年を記載のこと。
申込受付メールアドレス:aki[at]i.kyoto-u.ac.jp([at]を@に変えてください)
プログラム:
13:00~13:20 オープニング
13:20~13:40 事前課題解説
13:40~14:00 実践課題
14:00~14:10 実践課題解説
14:10~16:30 サービス検討
16:30~17:00 発表会/講評
17:00~17:25 振り返り
17:25~17:30 総評
17:30 クロージング
主催: 京都大学デザイン学大学院連携プログラム
共催: 株式会社日本総合研究所
問合わせ先:佐藤 彰洋(京都大学大学院 情報学研究科)
aki[at]i.kyoto-u.ac.jp([at]を@に変えてください) / 075-753-5515
報告:
参加者:学生8名(工学部情報学科3回生5名、大学院情報学研究科修士課程1年2名(内予科生1名)、大学院情報学研究科修士課程2年1名(内本科生1名))、日本総研3名、 特定教員1名
開催1週間前まで参加希望者を募集し、参加希望者には事前に宿題としてATMの参与調査とATMの課題(キャッシュレス社会実現、振り込め詐欺撲滅)についてアイデアを準備するよう宿題として連絡を行った。当日は、日本総研担当者より講義の趣旨、日本総研で取り扱うテーマ、ATMの基本的なデータの流れについて説明があり、1チーム(4名)からなる2チームそれぞれでキャッシュレス社会の実現、振り込め詐欺撲滅についてデザイン思考の方法論(ブレインストーミング、カスタマージャーニーマップの作製、データフローの設計、劇プロトタイピング)を用いてサービスの検討を行った。最後にテーマごとに劇プロトタイピングの発表会を行い、成果の共有とグループワークの体験を通じて、デザイン思考の方法論について学習を行った。
振込詐欺の撲滅のために、振込詐欺に該当すると思われる振込口座の特定と振込詐欺と思われる振込に対する振込先口座を利用しようとする人物の特定および検挙をATMの機能を追加して行うための仕組みについて議論した。
キャッシュレス社会を実現することの意義について議論を行った。現在利用されるスマートフォンを用いた決済システムの問題点として、携帯電話の電池がなくなった場合における不便性ならびにインターネット回線を用いた携帯電話のチャージ方法(IDパスワードによる認証)の脆弱性の問題点を解決できるシステムについて議論した。ATMが有するインターネット通信経路を介さない専用線を通じた信頼性の高い通信経路を用いることによる安心な携帯電話への銀行口座からのチャージ方法を実現するために求められる機能と、その実現のために必要となるATMと金融情報システムの仕組みについて議論を行った。
参加者の感想はどれも好意的であり、デザインスクールのテーマを充実させるため、産学連携の取り組みをさらに拡大することが有効であると考える。