日時:2017年3月11日(土)・12日(日)10:00~17:00
会場:元西陣小学校・教室棟 1F教室
(京都市上京区上立売通堀川西入幸在町689)
元西陣小学校のアクセス
元西陣小学校校舎の将来の活用ビジョンを展示・研究するイベントです。オープンイノベーション実習の成果展示をさらにスケールアップしています。
展示内容:
①教室Cafe
②西陣小INN
③市街地風景写真展
④こども遊び教室
⑤研究成果展示
など、昭和初期築の小学校の教室をさまざまに使ってみる実験企画を実地に御覧ください。
詳しくはフライヤー(両面)をご参照ください。
申込:不要
主催:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
共催:西陣地域住民福祉協議会
問い合わせ先:
ota.h59[at]gmail.com 太田 裕通 (デザイン学大学院連携プログラム・本科生)
kanki[at]archi.kyoto-u.ac.jp 神吉 紀世子(工学研究科 建築学専攻・教授)
([at]を@に変えてください)
報告:
来場者約150名(デザイン学本科生4名)
元小学校の利活用は、京都が近代以降、小学校及び学区が住民の自立運営により持続する基盤的地域社会となって集積していることを前提として考えなければならない。元西陣小学校は70年以上となる歴史ある建築物群を含む、西陣元学区の一角である。平成7年に元桃園小学校と統合されて以来、小学校としての機能は失われ現在は今後の利活用のあり方が課題となっている。これまでデザイン学本科生である太田が平成25年度より地元主催の学校跡地活用委員会に参加して以来、オープンイノベーション実習として地域内外の参加者も得ながら研究・試案作成を実施してきた。
本イベントは、これまでの実習の成果発表と校舎のオープンデイとして夏に実施した活用実験イベントの第2弾であり、本格的な規模で西陣元学区の住民への周知や、学区外へも広く開催告知をしてのイベントであった。具体的には、昭和初期築の戦前RC造校舎1階の5教室を、それぞれ活用委員会の成果展示室、子ども教室、風景写真ギャラリー室、宿泊室、カフェとして実験的に設えた展示(エキシビション)である。当日は、地元の元学区役員や各種団体、西陣中央小学校の子ども達、京都市職員、地域在住民間の方々、本学教員や学生、デザインスクール本科生や関係者(フェロー等)まで幅広く約150名の方に来場頂き、開催準備と当日受付・解説等のスタッフを本科生・京大生の6~7名で担い、展示をとおした元西陣小学校という建築物群と敷地の現状と活用ビジョンについての対話を行った。
学校跡地活用委員会の成果展示室では、元西陣小学校校舎の歴史的・建築的価値のパネル、京都市における他の学校跡地利用状況、元西陣小における活用ビジョン案「西陣ベースメント」の内容と課題を、あくまで“決定事項ではなく検討材料”として公開し、それらを基に自由に対話を行った。また子ども遊び教室では子どもの創造性を育むプログラムを実施し、西陣中央小学校(元桃園小学校)に通う多くの子ども達が伸び伸びと時を過ごした。子どもの人口が増えている住宅地の真ん中に建つ校舎の、“子どもの居場所”としてのあり方の可能性が見られた。また、宿泊部屋は教室にシングルベッド2台とソファやテーブルを設えた簡易なものであるが、訪れた住民らには比較的好評であった。素泊まりで安価に教室に泊まることの出来る活用のあり方について、空間的に体感することが出来た。この成果は元学区の住民組織の会合でも報告し、さらに、今後実際の活用事業の立案へのプロセスへとつながるよう引き続き活動を継続していく。