テーマ:生命と暮らしを育むスマートコミュニティ
日時:2015年9月30日(水)~10月2日(金)
場所:京都リサーチパーク(京都市下京区中堂寺南町134)
KRPのアクセス
参加費:デザインイノベーションコンソーシアム
正会員A 165,000円(税込)(1団体複数参加の場合、2人目以降90,000円)
正会員B 200,000円(税込)
一般 300,000円(税込)
※宿泊費は含まれておりません
定員:30名程度
申込:2015年9月 4日(金) 14日(月)締切
申込サイト
主催:デザインイノベーションコンソーシアム
後援:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
お問い合わせ先:デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
京都リサーチパーク株式会社 担当:山口
Tel: 075-315-8522 mail:info[at]designinnovation.jp([at]を@に変えてください)
デザインセミナーは、デザイン対象領域の理論を説く講義とデザイン理論を実践するワークショップを組み合わせたセミナーです。第1回目の「サービスデザイン」、第2回目の「ヘルスケアデザイン」に続き、第3回目は「アーバンデザイン」を実施します。社会における複合的な問題を多角的に捉え、解決する能力の養成を目指す3日間集中のカリキュラムをご用意しています。
豊かな生命と暮らしを育むためには、人工物相互の関係や人工物と人間・環境との関係を含む「都市エリア」のデザインを展開することが必要です。そこで第3回デザインセミナーでは、デザイン対象を個々の敷地から都市エリアに拡張することにより、多くの問題の解決をめざす「アーバンデザイン」を取り上げ、「持続可能社会のための都市エリアのデザイン」を可能にする都市ビジョンの1つとして注目を集めている「スマートコミュニティ」について学びます。
スマートコミュニティについては、これまでは “再生可能エネルギーを最大限に利用する社会”の実現を目指すエネルギーや環境といったハードな視点から多くの試みが展開されてきましたが、現在ではライフスタイルやコミュニティ運営を含むソフトな視点から持続可能な社会の実現を目指す多様な取組が始まっています。European Smart Citiesでは、Smart Economy, Smart Environment, Smart Mobility, Smart People, Smart Living, Smart Governanceという6つの特徴の組合せでスマートシティを定式化していますが、スマートコミュニティをデザインしていく上で、示唆に富むモデルと言えます。
アーバンデザインは、人類の始まりとともに進化してきたもので、人々の生命と暮らしに深く関わっています。21世紀を迎えて、ますます多くの人々が都市に居住するようになっていますので、都市エリアを賢くデザインする、すなわち、スマートコミュニティをデザインすることは、地球環境問題を始め、人類が直面している多くの困難な課題を解決する鍵を握っているといっても過言ではありません。こうしたアーバンデザインの本質を踏まえて、建築・都市、機械、情報、経営、心理等の多種多様な領域からのアプローチを総合して、「生命と暮らしを育むスマートコミュニティのデザイン(方法)」を学びます。
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講演報告:
2015年9月30日(水)から10月2日(金)の3日間、デザインセミナーのシリーズIII「アーバンデザイン」を、京都大学デザインイノベーション拠点で実施した。
豊かな生命と暮らしを育むためには、人工物相互の関係や人工物と人間・環境との関係を含む「都市エリア」のデザインを展開することが必要である。そこで、第3回目のデザインセミナーでは、デザイン対象を個々の敷地から都市エリアに拡張することによって多くの問題を解決しながら、持続可能社会のための都市エリアデザインがテーマとして設定された。そこでは、ビジョンの一つとして注目されているスマートコミュニティが学びの中心となった。セミナーのテーマを一言で言えば、「生命と暮らしを育むスマートコミュニティ」である。
工学研究科の門内輝行教授が牽引し、コンソーシアム会員(東芝など)や門内研スタッフの協力のもとに組み上がったカリキュラムには、以下の特徴がある。
• アーバンデザインの特性を理解し、そのデザイン原理を探求する
• 生命や暮らしの視点からスマートコミュニティのブレークスルーを図る
• デザインイノベーションのためのプロセスや手法および多主体の対話によるデザインの方法論を学ぶ
司会と全体のファシリテーションも、門内教授が3日間を通して受け持ち、5チームに分かれたワークでのテーブルファシリテーションは、門内研のスタッフやコンソーシアム会員有志が担当した。
講演は、門内教授の総論から始まり、三井不動産の河合淳也氏による「先進事例としての柏の葉スマートシティ」、東芝の篠原哲哉氏による「ヒューマンスマートコミュニティ」、日建設計の橘高宗平氏による「名古屋市の南生協病院」、国土交通省の新一真氏による「スマートシティの現状と今後の可能性」によって構成された。
初日の午後から始まったワークショップでは、「とある工場が移転した跡地である400m×400mの空地」という設定の地図が配布され、講演で得た知見に基づいて、地図に落とされた多層なコンテクストを解読し、そこから共感(empathy)、アイディエーション(ideation)、プロトタイピング(prototyping)リフレクション(reflection)を通してデザイン案を生成した。
最終日の午後からは、各チームによるプレゼンテーションとラップアップのあと、門内教授と竹中工務店の児玉正孝氏によって、産学両方の視点から総括された。
セミナー終了後にとったアンケートでは、総勢26名(テーブルファシリテーションを担当した参加者を含む)の内、大変有意義であったとの回答が20名(有意義であったが6名)、今後も他のプログラムに参加したいとの回答が20名(無記入が6名)など、8項目のアンケートを合計すると5段階評価で4以上が99%を超えた(無記入を除く)。