日時:2015年5月9日(土)15:00~17:00(講演90分+議論30分)
場所:京都大学 総合研究2号館 第2講義室
※建物には北側の入口からお入りください(週末のため他の入口は施錠されています)
総合研究2号館のアクセス(34番の建物)
「認知科学特論 (デザイン心理学特論)」(2015年度前期・教育学研究科 集中講義)を担当される 村山 航先生 (レディング大学) の講演会を開催いたしますので、奮ってご参加ください。参加の予約は不要です。
村山航先生は、学習や動機づけを中心とした教育心理学がご専門で、東京大学で学位を取得された後、現在は英国・レディング大学で教鞭を取られています。講演は日本語で行います。
講演者:村山 航 講師(英国・レディング大学 心理学部)
講演題目:メタ認知研究からみたデザインを考える際の落とし穴:
学習・動機づけを促進するデザインを事例に
講演要旨:
私たちが学習環境をデザインするとき、「人間とはこういうものだ」「人の学習とはこういった場合に促進されるものだ」といったメタ認知的信念に基づいて設計を考えます。しかし、私たちは人間の学習や動機づけのあり方をどの程度分かっているのでしょうか。もしこのメタ認知的信念が不正確であるなら、私たちが良かれと思って最善を尽くして組んだデザインが、逆効果になることすらあるでしょう。この講演では、人間の学習や動機づけに関するメタ認知が、私たちが思っている以上に不正確であることを示し、効果的な学習環境のデザインのあり方について議論したいと思います。
世話人:楠見 孝・野村 理朗・高橋 雄介(教育学研究科)
問合わせ先:takahashi.yusuke.3n[at]@kyoto-u.ac.jp (高橋 雄介)
([at]を@マークに変えてください)
講演報告:
参加者90名(内予科生・本科生10名)
村山先生は、学習・動機づけに関する教育心理学がご専門ですが、教育心理学だけに留まらず、脳科学や心理統計学に明るく、国際的にご活躍されている新進気鋭の研究者です。現在は、英国・レディング大学で教鞭を取られています。今回の講演では、村山先生がご専門とされる動機づけやメタ認知から見た学習環境のデザインについて、「メタ認知研究からみたデザインを考える際の落とし穴:学習・動機づけを促進するデザインを事例に」と題した講演をいただき、数多くの最新の知見を紹介していただきました。講演の後には聴講者の方々とたいへん積極的な議論が行われ、学内外から院生や学生など約90名が参加し盛会のうちに終了しました。参加者からは、「私たちの持つ常識に潜む人間の認知の落とし穴に気づき、それらについて考え直したりそういった落とし穴があるということを理解したうえでものごとをデザインしたり計画したりすることの重要性を学ぶ良い機会となった」などの感想が寄せられました。