講師:藤澤 崇彦氏
(経済産業省 商務情報政策局 クリエイティブ産業課 課長補佐・デザイン政策室 室長補佐)
デザイン思考活用に関する調査事業や、インハウスデザイナーが大企業から中小企業に一定期間派遣できる事業、また特定ものづくり基盤技術へ「デザイン開発技術」が追加される改定など、昨今、デザインに力を入れる大企業や中小企業への支援策が充実しつつある。今回、経済産業省においてこれらの施策を担当する経済産業省 商務情報政策局 クリエイティブ産業課 課長補佐・デザイン政策室 室長補佐 藤澤崇彦氏を迎えて、政策立案の意図およびその具体的な活用方法について紹介いただく。その上で、中小企業やデザイナー、デザイン行政に携わる方々等の参加者を交えてディスカッションを行い、現場レベルでの課題の抽出や今後の期待について意見交換を行う。
日時:2015年3月20日(金)10:00~12:00
場所:京都大学 デザインイノベーション拠点
KRPのアクセス
対象:デザインイノベーションコンソーシアム会員、
京都大学教員・学生、一部招待者
定員:30名程度(定員になり次第締め切り)
参加費:無料
プロデューサー:木村 千恵子(京都リサーチパーク(株)産学公連携部長)
監修:塩瀬 隆之(京都大学総合博物館 准教授)
申込: 下記より申込ください(事前申し込み要)。3月16日(月)締切
https://pro.form-mailer.jp/fms/b8ebdb8572730
主催: 京都大学デザイン学大学院連携プログラム
デザインイノベーションコンソーシアム
問い合わせ:デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
京都リサーチパーク(株)山口
info[at]designinnovation.jp([at]を@に変えてください)
075-315-8522
講演報告:
・経済産業省では、「デザインはまず問題の所在に気づき、観察して何が問題か抽出し、それをアイデアとして発想し、具体的に視覚化して、それを人に伝える。販売や広告など、アウトプットを考えることも含めてデザインである」と捉えている。
・デザイン政策の柱として、「経営」「教育」「国際化」を掲げている。「経営」に関しては、企業経営者がデザインの重要性を理解して、デザインを経営の中核として活用することの有用性を浸透させていくことが重要であるとの考えである。「教育」に関しては、デザイン思考が出来る人材を排出するための領域複合的な教育や実践的な人材育成が必要では無いかという問題意識を持っている。「国際化」は、日本のデザインを世界市場に売り出していくために、グッドデザイン制度の国際展開や世界に日本のデザインを知ってもらうこと等が必要だと考えている。
・2003年からデザインをブランド確立のためのツールとして活用できないかとの問題意識から研究会が始まり、2007年からは「感性価値」を日本の競争力の源泉にできないかと考え、「感性価値創造イニシアティブ」をスタートさせた。そしてその検討を踏まえて2010年から始まったのがクールジャパン戦略。
・今年「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく「特定ものづくり基盤技術」に、「デザイン開発技術」が追加された。これは自らデザイン開発に取り組む中小企業が明示的に支援対象になったことを意味する。「デザイン開発技術」とは、「製品の審美性、ユーザーが求める価値、仕様によって得られる新たな経験の実現・経験の質的な向上等を追求することにより、製品自体の優位性のみならず、製品と人、製品と社会との相互作用的な関わりも含めた価値創造に繋がる総合的な設計技術」と定義。