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デザインフォーラム ビジネスデザインシリーズ vol.4

イノベーションに向けてチームで響きあう研究開発
~ 将来に向けた新たな価値創造を目指して ~



講師:牧村 実氏(川崎重工株式会社 常務取締役 技術開発本部長)

日時:2015年3月25日(水)17:30~(19:00頃から懇話会・有料)
場所:京都大学 デザインイノベーション拠点 
   KRPのアクセス

対象:デザインイノベーションコンソーシアム会員、
   京都大学教員・学生、一部招待者

定員:40名程度

参加費:無料(懇話会 1,000円)

申込: 下記より申込ください。3月18日(水)締切
   https://pro.form-mailer.jp/fms/0d44cd8666754

主催: 京都大学デザイン学大学院連携プログラム
    デザインイノベーションコンソーシアム

問い合わせ:デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
      京都リサーチパーク(株)山口
      info[at]designinnovation.jp([at]を@に変えてください)
      075-315-8522

講演概要:
 川崎重工グループには、「船舶海洋」「車両」「航空宇宙」「ガスタービン・機械」「プラント・環境」「モーターサイクル&エンジン」「精密機械」の7つの独立したカンパニーがあり、それぞれが独自の歴史とカルチャーとともに多彩な製品と幅広い技術を保有し、異なった市場環境の中で自立自存のビジネスを展開している。このような中で該社グループでは、新製品や新技術の開発において、開発の初期段階からカンパニー内の設計や生産の担当者と技術開発本部の専門技術者(スペシャリスト)がチームを組んで取り組んでおり、これをマトリックス運営と呼んでいる。例えば海外向けの高速鉄道車両なら、速度や軽量化の顧客要求に対し、安全性や環境への配慮、快適な移動空間の提供、リーズナブルな価格なども必要で、二律背反どころか五律背反くらいの難しい課題が存在する。これをどう乗り超えるか、各分野のスペシャリストを含むチームで議論しながら開発を進めることにより、開発当初は絶対無理だと思えたものが、ある時突然美しい全体最適の形となってまとまりを成すことになる。これを可能にするのは、チーム全員が共通の将来ビジョンを持ち、本質的な課題を共有し、それぞれの立場で真剣に解決に向け努力しているからである。そして、開発に携わり成功体験を重ねた人財がリーダとなり、更に新たなチームで次のゴールをめざすことになる。また当該本部の技術者は、鉄道車両、航空機、ガスタービンと、その時々で違う案件に携わり、これにより、開発した技術を全社へ水平展開することも可能にしている。技術開発本部では、このような役割を担うことにより、イノベーションを目指し、グループ全体の「新製品・新事業」の開発を効率的に推進し、グループ全体の求心力を高めることで、さらなる企業価値の向上を目指している。

 講演では、製品開発と技術の横展開、技術戦略と将来へ向けた取組み(水素プロジェクトなど)、技術によるグループ総合力の強化などについて、具体例を挙げながら、トップ自らに生の声で語っていただくと共に、その鍵となる「人財」像についても議論を進めて参ります。

 エネルギー、インフラ、交通など、国の骨格を担う重工業の技術開発マネージメントに直に触れることによって、新たな視点から次世代のビジネスデザインにつなげていきましょう。


講演報告:
造船をルーツとする興味深い歴史と共に、該社の事業を展開するカンパニー組織、技術開発本部の役割・哲学、技術戦略と将来への布石、人材育成などについて、語られた。
・船舶海洋、車両、航空宇宙、ガスタービン・機械、プラント・環境、モーターサイクル、精密機械の7つのカンパニー(事業部門)と、本社組織として技術開発本部がある。
・これらカンパニーの求心力を高めるため、「シナジー効果で新たな力、強い力に」を掲げ、異なる文化を複合させるチームワークづくりを先導するのが、技術開発本部。
・カンパニーの設計、開発、生産等のゼネラリスト集団と、技術開発本部のスペシャリスト集団がスタートから徹底した議論で全体最適化のソリューションに向かう。これを、「チームで響きあう」と称し、カルチャーとして底流をなしている。
・研究開発は、異なる3つの視点で実施。「明日の技術開発」のフェイズ、「将来基盤技術の育成・強化」を担うフェイズ、そして、「将来の事業コア技術開発」のフェイズである。後者の例、「水素プロジェクト」は、次代の水素社会のインフラ構築のため、国の政策と連動しながら、グローバルバリューチェーンの確立を目指す。
・総合力を高め、成功裏に事業展開するためには、ゼネラリストとスペシャリスト、カンパニーとコーポレイト(技術開発本部)の絶妙の連携が重要で、入口と出口を含めた事業戦略の共有、柔軟かつ強固な「マトリックス運営」がその要となる。

報告の詳細は下記デザインイノベーションコンソーシアムのページをご覧ください。
http://designinnovation.jp/program/design-forum/-vol4.html

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