講演題目:Theory of mind and metacognition across life span:
Combining longitudinal and training studies
「心の理論」とメタ認知の生涯発達:縦断研究と訓練研究の統合
講演者:Prof. Serena Lecce (Department of Brain and Behavioral sciences, University of Pavia)
日 時:2015年3月17日(火)16:00~17:30
場 所:京都大学 教育学部本館1F 第一会議室
教育学部本館のアクセス(21番の建物)
日本学術振興会外国人招へい事業により3月に来日されるセレナ・レッチェ教授(Prof. Serena Lecce, Pavia University, Italy)の講演会を開催いたしますのでご参加ください【入場自由・予約不要】。
レッチェ先生は、発達心理学のご専門で、フィレンツェ大学卒業、パヴィア大学で学位を取得されました。
講演は英語で行われますが、日本語での要約解説を付します。
Abstract:
Interest in the human ability to reason about mental states (theory of mind) has flourished over the past three decades. However, the great majority of studies have focused on preschoolers and used cross-sectional designs. In this lecture Prof. Serena Lecce will address these two gaps. She will present data from longitudinal and training studies conducted at the University of Pavia in the last four years on the relationship between ToM and metacognition in preschoolers, preadolescents, and elderly people. Results of these studies will be discussed in the light of recent empirical results and theoretical models. The importance of ToM for peoples’ social life will be highlighted.
企画:溝川 藍(明治学院大学心理学部 助教)
司会:子安 増生(京都大学大学院教育学研究科 教授)
問合わせ先:HGB03675[at]nifty.com (子安)
([at]を@マークに変えてください)
講演報告:
イタリア・パヴィア大学のSerena Lecce准教授による講演会。心の理論(theory of mind)とは、自他の行動の背後に心的状態(目的・意図・知識・信念・思考・ふり等)を帰属する能力である。これまで30年以上にわたって心の理論の発達をテーマに研究が積み重られており、その中で、心の理論が様々な社会認知的能力と関わることが示されてきた。従来の心の理論研究の多くは、主に子ども期(特に幼児期)の発達を扱ってきたが、近年、心の理論は幼児期に完成するものではないことが指摘されており、生涯にわたる心の理論の発達に注目が集まりつつある。
本講演「Theory of mind and metacognition across life span: Combining longitudinal and training studies(心の理論とメタ認知の生涯発達:縦断研究と訓練研究の統合)」では、心の理論の生涯発達という観点から、心の理論と認知能力(メタ記憶)との関連に着目して行われた研究の成果が発表された。子ども期のみならず老年期においても、心の理論の訓練が心の理論並びにメタ記憶の成績を向上させることを示した最新の研究の知見をもとに、会場の参加者とともに、非定型発達者への訓練研究の展開や教育・福祉への介入の可能性等が議論された。講演と質疑応答は英語で行われたが、適宜、講演内容に関する日本語の要約解説を付した。大学院生・外国人を含む21名の参加があり、若手研究者育成並びに国際研究交流の観点からも有意義であった。