テーマ:医療現場が抱える課題と2025年に向かう医療政策、ICT制度
日時:2015年2月4日(水)~6日(金)
場所:京都リサーチパーク(京都市下京区中堂寺南町134)
KRPのアクセス
本セミナーでは、日本の医療政策や海外の事例を学んでいただくと同時に、医療現場の抱える話題を提供し議論いたします。3日間のディスカッションを通じて、日本の医療が抱える課題や問題点が浮かび上がり、将来のビジネスへの発見が期待できます。ヘルスケアビジネスに従事している方だけでなく、医療分野に参入を検討されている方を対象としています。
団塊の世代の全員が75歳以上を迎え後期高齢者となる2025年。本セミナーでは、3日間の講義とワークショップを経て医療政策と医療現場の “いま”と“2025年”について深く理解し、医療現場が危惧している2025年の社会課題に対して、産官学を様々な立場で束ね、解決策を創出できるような人材育成を目的としています。
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参加費:デザインイノベーションコンソーシアム
正会員A 165,000円(税込) 正会員B 200,000円(税込)
一般 300,000円(税込)
定員:30名程度
申込: 2014年11月17日(月)~2015年1月9日(金)
申込サイト
主催:デザインイノベーションコンソーシアム
後援:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
第29回日本医学会総会 2015 関西
お問い合わせ:デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
京都リサーチパーク株式会社 担当:山口
Tel: 075-315-8522 mail:info[at]designinnovation.jp([at]を@に変えてください)
報告:
2014年度のデザインセミナー(シリーズII)は、「ヘルスケアデザイン」をテーマとして2015年2月4日(水)から6日(金)の3日間、京都リサーチパークで実施した。今回のセミナーには、2025年問題(団塊世代が後期高齢者となる時期の日本の医療)について周囲で最も詳しい人物になりたい参加者が集まった。最初の2日間では6つの講演によって国内外の医療をとりまく政策や医療・介護の現状を学び、最終日には「2025年の日本におけるヘルスケアサービスのシナリオ」を導き出す。3日間を通じて常葉大学造形学部からグラフィックレコーディングを担当する学生たちも参加し、講演や議論の流れをリアルタイムで視覚化して立体的に議論を俯瞰する役割を担ってもらった。
[講演]
京都大学医学部附属病院医療情報企画部長の黒田知宏教授をはじめとする京都大学医学部附属病院の先生方を中心に、講演は以下のようにコーディネートされた。
•「医療政策を見据える」ために、日本の最先端医療政策について、独立行政法人国立国際医療研究センター国際医療協力局長・宇都宮啓氏にご講演いただいた。宇都宮氏は元厚生労働省保険局医療課長であり、医療介護に長年尽力された方である。
• 「医療ICTを知る」ために、エストニアで医療ICT普及を主導されたタリン工科大学准教授のDr. Peeter Rossを招き、eHealth先進国であるエストニアの政策や現状についてご講演いただいた。
• 「医療現場を考える」ために、公益財団法人ファイザーヘルスリサーチ振興財団理事長の島谷克義氏、長浜市健康福祉部健康推進課課長の藤居敏氏、社会福祉法人丹後福祉会庶務部長の引野雅司氏と主任介護支援専門員の末次友美氏にお越し頂き、製薬業界の現状、地域医療と介護の現状、京都府北部の高齢者介護の現状についてお話しいただいた。
[グループワーク]
ファシリテーターには、野村総合研究所のコンサルタントとしてIT・放送業界を中心に活躍されている寺田知太氏を迎え、10年後の日本医療を予測するグループワークを実施した。中心的な役割を果たしたメソッドは「シナリオプランニング」である。
初日には、ここまでの講演を振り返って、「2025年日本のヘルスケアサービスに影響をおよぼす政策」に対するドライビングフォース(DF)を、各自思いつくままに書き出した。
2日目には、6つの講演をすべて聞き終えたところで、レコーダーが2日分のグラフィックレコードの説明をしたあと、今度は「2025年日本のヘルスケアサービスに影響をおよぼす現場の動き」に対するDFを書き出した。チームは話し合いながら、「影響を及ぼすDF」「DFが生じる兆候」「具体的な影響」に振り分ける作業を通してDFを整理し、その中から2つのベクトルを決定した。
最終日は、2日間のインプットから得たものをアウトプットするワークを実施した。2つのベクトルとして決定されたDFは、最も影響の大きい不確実性を持つものである。シナリオプランニングでは、直行する2つのベクトルから構成される4象限における4パターンのシナリオ予測を基本とする。詳細化された各シナリオに対して、有効な打ち手・最悪の事態に備える打ち手を考えた後、グループ相互にプレゼンテーションと意見交換を行った。
最後のセッションでは、Ross氏も含めた講師陣から活発な講評が加わり、参加者はこれらの講評やプレゼンテーションの内容を各自振り返りながら、将来のビジネスチャンスの可能性について考え、3日間のセミナーを有意義なものとして終了した。セミナー後のアンケートでは、参加者12名の内、大変有意義であったとの回答が5名(有意義であったが7名)、今後も他のプログラムに参加したいとの回答が11名(無記1名)であった。