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デザインフォーラム ビジネスデザインシリーズ vol.1

エレクトロニクス製造業の成り立ち、課題、そしてその再興に向けて

講師:貫井 孝(京都大学デザイン学ユニット特任教授)

日本経済を支え、世界をもリードしてきた電子産業の凋落傾向は否定できず、さりとて、これに代替する新産業の興隆、これの萌芽となるベンチャー企業の勃興も期待値からは、遠い状況にあり、日本は経済・産業の視点からも大きな転換を余儀なくされています。
かかる状況を踏まえ、様々な産業分野・バリューチェーンにおける解決課題の認識と方向性、ビジネスモデル、それを可能にする人材要件などを語り合うシリーズを新たに企画しました。
ビジネスデザインシリーズでは、経済・産業の視点からも大きな国家的転換を余儀なくされている現況を鑑み、産業・企業・グローバルビジネス」という切り口から、様々な分野における解決課題の認識と方向性、それを可能とするイノベーティブな人材要件などを語り合い、それぞれ立場の人々のモチベーションを高めるとともに、これがビジネスイノベーションに繋がる一歩を目指します。

第一回は、本件プロデュースに関わる貫井 孝氏(シャープ(株)元常務執行役員)により、エレクトロニクス産業再興に向けた思いを語っていただきます。ここ数年間、苦戦を強いられてきたエレクトロニクス業界、かつては、日本の製造業を自動車とともに牽引してきたモノづくり産業ですが、今に至るその歴史を踏まえながら、経営環境・社会の変化、製造業の成り立ち、バリューチェーンの構成要素の検証などにより、課題を抽出し、1)モノづくり特性と戦略、2)イノベーティブ人材育成、3) 新興国ビジネス、4) 業務取り組み姿勢、の視点から再興に向けた今後の取組みを議論します。

日時:2014年8月1日(金)17:30~(19:00頃から懇話会)
場所:京都大学デザインイノベーション拠点 京都リサーチパーク西地区 9号館5階 506号室 
   http://www.design.kyoto-u.ac.jp/access/#KRP_JA

対象:デザインイノベーションコンソーシアム会員、
   京都大学教員・学生、一般招待者(KRP入居企業)

定員:40名程度

参加費:無料(懇話会 1,000円)

申込: 下記より申込ください。7月25日(金)締切
   http://designinnovation.jp/topics/2014/06/vol-1.html

主催: 京都大学デザイン学大学院連携プログラム
    デザインイノベーションコンソーシアム

問い合わせ:デザインイノベーションコンソーシアム 事務局
      京都リサーチパーク(株)山口
      info[at]designinnovation.jp([at]を@に変えてください)
      075-315-8522


講演報告:
冒頭、石田先生の当該フォーラムの主旨説明を頂いた後、貫井氏の講演、更に参加者を交えての活発な討議、意見交換が行われた。(参加者;34名)

・日本のエレクトロニクス産業の変遷:
エレクトロニクス産業が隆盛を極めたにもかかわらず減衰した要因は、デジタル化のグローバル急進展と共に日本の得意とした「擦り合わせ型モノづくり」から「組み合わせ型モノづくり」(結果的に不得手であった)へ加速的に変化したこと。標準化部材・システムを基盤とする後者は、参入障壁を格段に下げ、新興国でのエレクトロニクス製品の製造が容易になり、多数のプレーヤーが勃興。而して、日本は、苦境に。

・製造業の成り立ち:
製造業は、マーケティング、企画、製品設計、生産、販売等から成り立っているが、最重要点は、ユーザに、提供するプロダクツの価値を認知頂き、対価との交換が実施されること。

・バリューチェーンと留意点:
1)マーケティング/商品企画;顧客に価値が認知される必要要件を分析し、『あるべき姿』と『既に持ち有るもの』との差を明確にし、それを補う筋道を戦略化。この基に商品企画は成り立つ。
2)研究/開発;日本が目指す4つの戦略市場創造プランを踏まえつつ、ユーザの待望する「モノ」「コト」(開発成果の出口)を真摯に開発企画化し、イノベーションを創出。 
3)生産;生産対象物の特性を総合的に勘案しながら、生産地、生産システム、生産主体(自社/EMS)等に関し、柔軟かつ戦略的に対応要。 
4)販売;「販売」行為のみならず、顧客の反応、生活地域/生活スタイルの変化を汲み取り企画に反映すること。

・今後の産業振興に向けて:
1)製品カテゴリー、ビジネスカテゴリーごとの本質を捉えた戦略性強化
2)次世代を担うグローバル人材の育成強化
3)新興国に向けた大いなるビジネスチャンスの取り組み強化


[主たる討議論点]

1.電力インフラ未整備地域とエレクトロニクス関連ビジネス・産業に関して
2.摺り合せ型モノづくりに於ける、特許の意義、人材流出のインパクト
3.「データの裏側の読解力」、「価値の発見力」などに必要な要件の獲得手法
4.エネルギー原材料輸入増加や、電機産業要因と見られる貿易赤字に関して
5.ビジネスモデルの摺り合わせに関して
6.為替レートが各産業に与える(与えた)個別インパクトと国としての総合的インパクト

報告の詳細は下記デザインイノベーションコンソーシアムのページをご覧ください。
http://designinnovation.jp/program/design-forum/bd-vol1-report.html