講演者:武山政直 (慶應義塾大学経済学部教授)
日時: 2014年5月30日(金)10:30~12:00
場所:吉田キャンパス デザインファブリケーション拠点
https://maps.google.co.jp/maps?q=35.026561,+135.783607
Abstract:
近年のサービスデザインの扱う対象の広がりや複雑化とともに、サービスデザインの実践や研究においてもその基本的な概念や手法を発展させるべく、関連領域とのダイアログやコラボレーションが必要となっています。本講演では、サービスデザインの誕生から今日に至る経緯や現在の課題を概観した上で、特にマーケティングや経営学において注目を集めるサービスドミナントロジックの考え方をサービスデザインの方法論に統合する取り組みについて紹介します。
申込不要
主催:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
連絡先:yamauchi(at)gsm.kyoto-u.ac.jp(at)を@に変えてください.
(山内 裕 経営管理大学院)
講演報告:
報告書(PDF)
本講演ではサービスデザインの研究者として、国内においてこの分野をリードされている慶応義塾大学経済学部、武山政直教授をお招きし、ご自身の研究トピックである、サービスデザインとサービスドミナントロジックの統合についてお話を頂いた。
まず、先生の研究室にて実施されたプロジェクトのご紹介と、ご自身がサービスデザインに関わるに至った経緯をご紹介いただき、その上でサービスデザイン誕生と発展の経緯、その主な領域、アプローチの特徴についてご説明いただいた。その中で、プロバイダーと顧客(ユーザー)という関係のみならず、様々ステークホルダーが絡み合うネットワーク的なサービスエコシステムの理解や、人々の行動変容や組織のトランスフォメーションへと対象を広げつつある近年のサービスデザインの文脈において、よりイノベーションを戦略的に捉える方法論として、ご自身のご研究内容であるサービスドミナントロジックとの統合というフォーラムのテーマへとお話を進められていった。
S−Dロジックとの統合においては、インフォメーション、人間のパフォーマンス、環境、インタラクション、プロダクトなど、サービスデザインが対象とする様々な要素のオーケストレーションを、価値共創やリソースの統合という観点から把握し直し、リソースの流動性の向上と統合の再編というダイナミズムから新しいサービスを創出する方法についてご説明いただいた。
1時間半ほどの今回のご講演ではサービスデザインに関する先生の研究内容を終止分かりやすく共有していただき、終了後も参加者から様々な質問が飛び交う有意義な時間となった。