日程:2013年12月2日(月)~12月13日(金)
会場:京都大学百周年時計台記念館、楽友会館、京都大学吉田国際交流会館、デザインイノベーション拠点(KRP)、他
※本イベントは関係者のみ対象となっております。
主催:RENKEI (Research and Education Network for Knowledge and Economy Initiative)
http://www.renkei-researcher-schools.org/about/
京都大学(国際交流推進機構)
共催:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
《RENKEI 加盟の11大学》
日本:京都大学・九州大学・名古屋大学・立命館大学・東北大学
英国:ブリストル大学・リーズ大学・リバプール大学・ニューカッスル大学・サウサンプトン大学・UCL(University College London)
本スクールの受講者はRENKEI 加盟大学11大学から選抜された2名ずつ合計22名の学生で、すでに本年7月に英国ブリストル大学でのサマースクールに全員参加しており、英国から3名の教員と本学デザインスクール教員がファシリテータとして帯同します。スクール全体の年間を通してのテーマとして「Urban Sustainability and Resilience」が設定されており、Kyoto School では、日本での京都における Design for Urban Sustainabilityに対する固有の考え方や、産官学での取組みの実際を紹介して受講生にインプットを与える一方で、スクールの主目的は学生達がこのテーマについて英国との比較を行いながらの日英共同のグループによる議論を行うことになります。また日英の学生同士がより深く知り合う上で、日本の文化や精神について、そして京都の地に存する京都大学の歴史と培って来た理念も含めて話題を提供し、体験・実践を伴ったCultural Crossing を実施致します。
オープン参加・見学を希望される方は、該当するプログラム実施日の前々日までにご連絡ください。
※デザイン学ユニット構成員およびデザイン学大学院連携プログラム学生のみ対象です
オープン参加・見学希望連絡先:
RENKEI School 事務局 椹木研究室 minato*me.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えて下さい)
1) Dec.2 (Mon) 10:45-12:30 “Urban sustainability and resilience – what it means for Japan and Kyoto (1)”
会場:楽友会館2F(京都市左京区吉田二本松町)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/profile/intro/facilities/kyoshokuin/rakuyu
寳 肇 教授(京都大学防災研究所)
(話題提供)「歴史都市京都における地震火災や水害からの文化財保護」に関する内容
2) Dec.2 (Mon) 14.00-15:45 “Urban sustainability and resilience – what it means for Japan and Kyoto (2)”
会場:吉田国際交流会館(京都大学吉田南構内)
http://www.opir.kyoto-u.ac.jp/kuiso/kaikan/yoshida/
門内 輝行 教授(京都大学工学研究科建築学専攻)
(話題提供)「京都における町並み保存と「まちづくり」プロジェクト」に関する内容
3) Dec.4 (Wed) “Exploring and Discovering about Kyoto University and Japanese Culture”
会場:百周年時計台記念館 3F 国際交流ホール
10:15 – 11:15 西山 伸 教授(京都大学大学文書館)
(話題提供)「京都大学の歴史」
13:00 – 14:30 河上 志貴子 准教授(京都大学国際交流センター)
(話題提供)「日本古典文学における和の精神」
エクスカーション:「哲学の道」散策
4) Dec.5 (Thu) “Demonstrations and Practice of Japanese Cultural Experiences”
会場:百周年時計台記念館 3F 国際交流ホール
10:00 – 12:00 日本舞踊師範 花柳 智絹 氏(実技と演技指導)
13:00 – 16:00 生け花 華道家元 池坊 総華督 渡邊 絹代 氏(実技と演技指導)
5) Dec.6 (Fri) “Exploring Kyoto Classical Town Houses (Kyo-Machiya)”
(訪問先)京都市景観・まちづくりセンター,ならびに京都市の町家見学
http://machi.hitomachi-kyoto.jp/index.html
(実践と話題提供)北 雄介 特定助教、荒牧 英治 特定准教授、中小路 久美代 特定教授(京都大学デザイン学ユニット)
Collaborative Building of Subjective Map of Kyoto Classical Town
《参加希望者には追って集合場所・集合時間をお知らせします》
6) Dec. 9 (Mon) “Sustainable Service in Japanese Food Industries”
会場:KRPデザインイノベーション拠点(9号館 506号室)
http://www.design.kyoto-u.ac.jp/access/#KRP
15:00 – 16:00
(話題提供)新村 猛 氏
(がんこフードサービス株式会社代表取締役副社長、(独)産業技術総合研究所 サービス工学研究センター 研究顧問)
7) Dec. 10 (Tue) “World Café on the Grand Challenges of Urban Sustainability and Resilience in a Japanese Context”
会場:KRPデザインイノベーション拠点(9号館 506号室)
http://www.design.kyoto-u.ac.jp/access/#KRP
9:15 – 10:45(話題提供)山内 裕 講師(京都大学経営管理研究部)
13:00 – 17:15 World Café
これまでの話題を受け、Urban Sustainability and Resilience に関するGrand Challengesについて英国側ファシリテータがテーマを提示し、そのテーマ毎に4~5人単位の小グループに分かれてWorld Café を実施します。これはブレーンストーミングによる議論の収斂を図る一方で、メンバーの組み合わせを変えながら議論の発散を促し話し合いを続けることによってあたかも参加者全員が話し合っているような効果が得られる手法で、組織やコミュニティの文化や状況の共有や新しい知識の生成を行うファシリテーションプロセスを実践します。
報告:
参加者: 43名(学内20名、学外23名)
詳細レポートへのリンク (PDF 2.1MB)
本スクールの受講者はRENKEI 加盟大学11大学(京都大学・九州大学・名古屋大学・立命館大学・東北大学、ブリストル大学・リーズ大学・リバプール大学・ニューカッスル大学・サウサンプトン大学・UCL(University College London))から選抜された2名ずつ合計22名の博士後期課程学生とポスドク研究員で、すでに半年前の7月に英国ブリストル大学でのサマースクールに全員参加しており、その後もSNS を通じて交流を深めて来て再度京都に集った。英国から3名の教員と本学デザインスクール教員がファシリテータとして参加した。スクールの年間を通してのテーマとして「Urban Sustainability and Resilience」が設定されており、今回のKyoto School では,日本での,そして京都における Design for Urban Sustainability and Resilienceに関する固有の考え方を学び、これをもとに受講者が、日英比較を行いながら日英混合のグループで討議を重ね、最終的に4つのグループからプロジェクト提案を行った。また日英の学生同士がより深く知り合う上で、日本の文化や精神について、そして京都大学の歴史や日本の古典文学における和の精神に関する講義を受講したほか、京都市景観・まちづくりセンターや実際の町家(京都市指定有形文化財指定の長江家住宅)の見学と、さらに花柳流師範による日本舞踊や華道家元池坊の生け花の体験・実践学習を実施した。開催期間中には、RENKEI 加盟の日英11大学からの副学長クラスの代表者が視察に訪れたほか、受講生全員が京都市庁舎に門川大作京都市長の表敬訪問を行った。
本スクールの企画に際しては、英国発の博士課程人材教育プログラムとして注目を集めている「トランスファラブル・スキル・トレーニング」について、京都に固有な視点を盛り込み実践することを目指した。受講生達は、デザイン学を中心に提供されたグループ課題の日英両受講生による異分野協働を実践し、さらには日本の産業界からの代表者との意見交換に基づくビジネスモデルキャンバスの作成を通して俯瞰力を養い、そして日本文化に関わる講義ならびに体験・実践を通して欧米とは対照的なコミュニケーションスキルや、四季の移ろい・花鳥風月に対する審美感覚に触れることができた。異文化・異分野を背景とする若手研究者が互いに知り合い協業を実現して行く上で、互いの社会制度や文化的・精神的バックボーンの差異と共通点の認識が極めて重要となることを実感させられた2週間であった。
(1) 英国で実践されているトランスファラブル・スキル・トレーニングの実際に触れられる機会であり、これらの手法をデザイン学の中でカスタマイズし独自のプログラムを開発して行くための学習の場となった。
(2) デザインスクールとして今後取り組むべき異文化・異分野協業のさまざまな方法論の実践を試行し、若手研究者としてのコミュニケーションや表現に関するスキルを教授していくために何が必要となるかについて、デザインスクール教員が学習できる場となった。
(3) 異文化・異文化を背景とする若手研究者が互いに知り合い協業を実現して行く上で、Speed Networkingのためのスキル、そして、互いの社会制度や文化的・精神的バックボーンの差異と共通点の認識、そして歴史認識の共有が極めて重要となることを実感した。いずれも研究者としては基礎スキルであるものの、個々が培って来ている専門性と社会へのインパクトとの関係に気づける能力や、異なる分野や学際性を背景にしたグループ共同作業において、議論の発散を促すとともに収斂を図れるファシリテータとしてのスキル涵養に大きな効果が見られた。
(4) 会期中に実施されたRENKEI加盟大学の代表団ならびにブリティッシュカウンシルからのメディア取材を通じて、本学リーディング大学院デザイン学(デザインスクール)の国際的な周知がなされた。実際、RENKEI School 開催後には、訪問された複数大学からデザイン学での国際連携の申し入れを受けている。