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デザインフォーラム Design Visions / Design Forum: Design Visions series

Anne Mieke Eggenkampさんを迎えて: 「Dutch Design Now」
With Anne Mieke Eggenkamp: "Dutch Design Now"

日時:2013年9月12日(木)17:00~18:30
   17:00-18:30, September 12 (Thu), 2013
会場KRPデザインイノベーション拠点(9号館5階)/KRP Design Innovation Center

講演概要
―オランダで何が起きているか、ご存知ですか?

オランダではこの10年、デザイン戦略として「オープンデザイン」と呼称される製品やサービスの設計プロセスのオープンソース化と3Dプリンタなどを用いたデジタル・ファブリケーションを日本に先駆けて取り組んでいます。また、オランダには「フューチャーセンター」も多々あり、中でもLEFと呼ばれる オランダ国税庁が運営するフューチャーセンターでは活発に税金の使い道に関しての議論が交わされています。
こうしてオランダでは教育機関や行政がデザインのあり方を再検討し、多様な利害関係者の中で生み出されるデザインがすでに実践されているのです。そこで、京都大学デザインスクールでは、オランダのデザイン教育の第一線で活躍され、ヨーロッパを代表するデザインスクールであるDesign Academy Eindhoven前学長のAnne Mieke Eggenkampさんをお招きしてオランダにおけるデザインの今をお話して頂きます。

講演は英語になります。

Netherlands has been a forerunner in expanding design; new principles such as open design, digital fabrication and design research are studied and practiced nationwide to innovate the existing creative industry.
Additionally Netherlands offers new places for co-creation; publicly funded future centers are one of the suggestions on how the nation reconsiders design with multiple stakeholders.
In order to explore the current status of Dutch design, Kyoto University Design School is honored to introduces the former chair Design Academy Eindhoven and the board member of Dutch Creative Council, Anne Mieke Eggenkamp.

*The lecture is given in English.


講演報告
Design Academy Eindhoven前学長のAnne Mieke Eggenkamp氏による”Creative Pioneers: The Scientist, the designer, the innovator + their neighbors”と題された講演が行われた。はじめに、デザイン学ユニット講師(慶應義塾大学環境情報学部専任講師)の水野大二郎先生より、講師の紹介、なぜ今「オランダのデザイン」なのか、ダッチデザイン発展の歴史やその背景(オランダにおけるフリーカルチャー運動やアメリカ西海岸発祥のオープンソース運動が与えた影響)などについての説明がなされた。

Eggenkamp氏からは、Design Academyの取り組みが紹介された。卒業制作の紹介を通して様々な革新的なデザインに取り組んでいることと同時に、デザインの意味が変化してきていることが説明された。家具やプロダクトのデザインが発展し、Hella Jongerius氏によるゴムでできた柔らかい洗面器、Maarten Baas氏による焼いて真っ黒になった家具(写真のスライド)など、刺激的な取り組みがなされている。最近ではニーズを捉えてデザインするような取り組みも多い。例えば、アフガニスタンでの地雷の問題に対して、風の力で動く低コストの地雷撤去器や東日本大震災での過酷な避難生活を向上するための非常用具セット(Massoud Hassani氏)のようなものである。これらの事例を通して、外に出て問題を見つけ、手を動かしてデザインしていくデザイン教育のあり方が議論された。

最後の質疑応答では、講師より学生に対し、「創造性を高めるためには、デジタル機器に頼りすぎたり、集中しすぎたりすることなく、クリエイティブな環境で活動すること」「審美眼を鍛えるためには、物を見るだけでなく、それについて人と話し、その背景にある物語について知ること」などのアドバイスがなされた。教員に対しては、「学生にフィードバック、将来についてのアドバイスを行うこと」などのアドバイスがなされた。

Dr. Eggenkamp