講演者:増田 貴彦氏(カナダ・アルバータ大学 准教授)
近年誕生した、人類学・言語学・心理学・神経科学 の学際的研究分野―文化心理学―は、文化とこころの相互構築プロセス(文化⇔こころ)の解明を目指している。なかでも東アジア文化圏と北米文化圏の心理過程を対象とした研究では、それぞれの文化圏で歴史的に蓄積された思考様式の違いが、「注意」のような基本的な心理プロセスにまで影響を及ぼすことを示すデータが報告されている(「文化→こころ」の研究)。
今回の講義では、それぞれの文化圏でみられるアート・デザイン・広告といった視覚表象にも、その文化の人間観・世界観が反映されていることを示す事例を紹介し(「こころ→文化」の研究)(e.g. Masuda, Gonzalez, Kwan, & Nisbett, 2008; Wang, Masuda, Ito, & Rashid, 2012)、文化心理学の今後の発展のためには 「文化→こころ」および「こころ→文化」の双方向的な研究が必要であることを論じる。
日時:2013年6月14日(金)13:00~14:20
場所:京都大学 こころの未来研究センター 京都大学稲 盛財団記念館3階 大会議室
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/about/access.html#center
公開講演;入場自由
主催:博士課程教育リーディングプログラム「デザイン学大学院連携プログラム」
共催:こころの未来研究センター
企画司会:子安 増生(京都大学大学院教育学研究科教授)
問い合わせ: HGB03675*nifty.com (子安)(*を@に変えてください)
講演報告:
カナダ・アルバータ大学増田貴彦准教授が講演を行った。近年誕生した文化心理学は、文化とこころの相互構築プロセス(文化⇔こころ)の解明を目指している。なかでも東アジア文化圏と北米文化圏の心理過程を対象とした研究では、それぞれの文化圏で歴史的に蓄積された思考様式の違いが、「注意」のような基本的な心理プロセスにまで影響を及ぼすことを示すデータが報告されている。それぞれの文化圏でみられるアート・デザイン・広告といった視覚表象にも、その文化の人間観・世界観が反映されていることを示す事例が数多く紹介され、研究の今後の発展のためには「文化→こころ」および「こころ→文化」の双方向的な研究が必要であることが論じられた。