京都大学デザインスクールで実際に行われている講義を中心に、企業向けに再編したレクチャーシリーズを開催します。予測不可能な時代(VUCA*)と言われる現在、異質なナレッジ、真の課題発見、解決策のデザイン力が必要とされています。そのためには、異分野の知見を学び、それぞれの分野で培われたデザイン理論・手法を理解し、その礎を築くことが大切です。
本プログラムは、京都大学デザインスクールの教員が、各分野のデザイン理論・手法を説く集中シリーズで、シリーズ全体を通しての受講をお勧めします。今年度は前期にSeasonⅠを開催しました。後期にはSeasonⅡを開催します。※単発の受講も可能です。
*VUCA: Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
Point
・それぞれの専門分野における問題の捉え方や解決策のデザイン方法がわかります。
・自らの分野・業界の発想や問題の解決方法は限定的であり、バイアスがあると気付きます。
・どの分野のメンバーでプロジェクトチームを構成すれば、真の問題発見や望ましい解決策のデザインが可能となるか、計画できるようになります。
【第1回】情報のデザイン
「情報を効果的に伝えるための方法論」
黒橋 禎夫(京都大学大学院情報学研究科・教授) 山本 岳洋(京都大学大学院情報学研究科・助教)
ことば,グラフィック,コンピュータといったメディアにかかわらず,情報を人に伝える行為は普遍的である.どんなに価値ある情報も,それが人に正しく伝わらなければ意味がない.本講義では,情報デザインを「伝えたい情報を対象者に的確,効果的に伝えるための規範・方法論」と捉え,情報デザインに関わる諸概念について事例を交えながら紹介する.前半では,情報の分類,組織化,言語の視点からの情報デザイン等について議論を行う.後半では,コンピュータにおけるインタフェースデザインを題材とし,使いやすさや信憑性といった人の認知的特性について議論する.
【第2回】フィールド分析法
「エスノメソドロジーと人間行動のデザイン」
平本 毅(京都大学経営管理大学院・特定講師)
ほとんどのデザインが有効であるのは、それが自然な人間行動の中に埋め込まれた時である。だから、「自然な人間行動とは何か」を調べることは、デザイン実践と研究にとって大きな意味をもつ。この問題に、人同士のコミュニケーション(たとえば小売店の接客)という側面から取り組んできたのが、「エスノメソドロジー」と呼ばれる社会学の方法である。エスノメソドロジーは実際のコミュニケーションを観察し、人がその場で自然に行動する条件を明らかにする。このレクチャーではエスノメソドロジーの考え方と具体的な接客場面の分析例を紹介しつつ、分析によって明らかにした自然な人間行動に基づいたサービスデザインについて議論する。
【第3回】防災のデザイン
「防災デザインの方法論」
牧 紀男(京都大学防災研究所・教授)
昨年は九州北部豪雨、今年は西日本豪雨といった気象災害が頻発し、さらに南海トラフ地震や首都直下地 震の発生が懸念されており、災害に対して如何にして備えるのかは重要な課題となっています。命、財産 、生活・業務・地域を守るという防災の目標、被害の定義、防災対策の全体像といった防災対策の基本的枠組みについて理解した上で、目標設定・組織の立ち上げ→リスクの同定→リスクの分析→リスクの評価→リスクの対策という防災のデザイン手法についてハザードマップの作製、災害対策本部の空間設計、防災・復興計画の策定災害情報システムの基本要件設定といった実際の防災デザイン事例をもとに学びます。
【第4回】心理とデザイン
「なつかしい記憶による幸福観と社会的絆」
楠見 孝(京都大学大学院教育学研究科・教授)
なつかしい記憶は,現在から過去へのメンタルトラベルによって,他者との絆や場所とのつながりを想起させ,幸福観やあますっぱい気持ちを引き起こす。本レクチャーでは,人の記憶の想起とそれに伴う感情のメカニズムを,心理学実験と調査,そして理論に基づいて解説する。さらに,なつかしさを活用するための,記憶支援装置のデザイン,広告やまちづくりのデザイン,作品舞台の旅「聖地巡礼」,回想法による高齢者の支援の問題を考えたい。
日程:
第1回 情報のデザイン 2018年10月19日(金)
第2回 フィールド分析法 2018年12月12日(水)
第3回 防災のデザイン 2019年1月25日(金)
第4回 心理とデザイン 2019年3月1日(金)
時間:
15:00 イントロダクション
15:05 講義(前半75分)
16:20 休憩
16:35 講義(後半75分)
17:50 まとめ・お知らせ
18:00 終了
場所:京都リサーチパーク(京都市下京区中堂寺南町134)
京都リサーチパークのアクセス
対象:デザインイノベーションコンソーシアム会員、非会員
定員:40名程度
参加費:
デザインイノベーションコンソーシアム会員 無料
非会員・一般 5,000円(税込)/1回分 ※当日、受付にてお支払ください
申込:(事前申し込み要) 各回、下記URLよりお申込みください。
第1回 2018年10月19日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/1c5adf87152082
第2回 2018年12月12日(水) https://pro.form-mailer.jp/fms/d69b945c152084
第3回 2019年1月25日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/08f1b594152085
第4回 2019年3月1日(金) https://pro.form-mailer.jp/fms/70d3f5ae152087
申込〆切:
申込〆切:定員になり次第、募集を締め切らせいただきます。
第1回〆切 2018年10月12日(金)
第2回〆切 2018年12月5日(水)
第3回〆切 2019年1月18日(金)
第4回〆切 2019年2月22日(金)
・講義の振替はございません。予めご了承ください。
・お申し込み後のキャンセルはご遠慮願います。止むを得ず、ご欠席される場合は、事務局までご連絡ください。
主催:デザインイノベーションコンソーシアム
後援:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
問合せ:
デザインイノベーションコンソーシアム事務局
京都リサーチパーク株式会社 担当:松浦、柳本
tel: 075-315-8522
mail: info[at]designinnovation.jp (注:[at]を@に変更してください)
セミナーの様子は写真・動画撮影を行い、デザインイノベーションコンソーシアムおよび京都大学デザインスクールの広報物やウェブ等に掲載させていただくことがありますのでご了承ください。問題がある場合は、恐れ入りますが事務局までご連絡ください。
リンク:
デザインイノベーションコンソーシアムのページ
http://designinnovation.jp/topics/2018/08/dl-season2.html