講師:二宮 正士氏(東京大学大学院 農学生命科学研究科 特任教授)
日時:2023年2月1日(水)17:00~(18時半頃から懇話会を予定)
場所:リアル/京都リサーチパーク 4号館地下1階 バンケットホール
オンライン/(Zoom使用予定)
講演概要:
半世紀前、ローマクラブがMITなどに委託して発表した「成長の限界」は、人口増に追いつけない食料生産がその大きな要因としていました。それから50年、確かに80億に達した地球人口の1割に当たる8億人が飢餓に苦しみ、ウクライナ戦争による食糧危機や食料品の高騰が報道されています。しかし一方で、我が国では相変わらずグルメ話がテレビなどにあふれ、スーパーやデパートには豊かな食品が大量に売られ、おいしく高品質で多様な食がインバウンドも魅了していると盛んに報道されています。どうも、日本では将来にわたる食を心配しているのは多数派では無いようです。
本講演では、20世紀後半、「緑の革命」などを通して食料の大増産に成功した一方、農業がもはやかつてのグリーン産業ではなくなってしまったことをお話しします。われわれに豊かな食を供給する一方、地球の安定的な窒素循環を壊し,温暖化ガスの大排出源であるなど、カーボンニュートラルやSDGs達成の大きな足かせになっています。また、食料不足が単に人口増によってのみもたらされるものではなく、われわれが何を食べるのかに大きく依存していること、単に熱量を摂取するだけなら100億人でも十分にこの地球は養える可能性があることもお話しし、食料生産の持続性と生産性の双方を担保しながらローマクラブの警鐘に答える道を探りたいと思います。
詳細はコンソーシアムのWebサイトをご覧ください。
http://designinnovation.jp/program/design-forum/pds6.html