【リーディングプロジェクト紹介】 都市とモビリティが支える豊かな社会システム

[京都大学工学研究科・機械理工学専攻 椹木 哲夫 教授] http://www.design.kyoto-u.ac.jp/faculty/t-sawaragi.html

人の行動を理解しコミュニティを構築するには,複数の学術領域から対象へアプローチし,デザインしていく必要がある.最も原初的なレベルでの人々の生活行動は機械工学領域によってモデル化・解析を行い,これと情報学領域のモデルベース制御とを結びつけることで,人の実生活の場からのフィードバックを得ながら予測のモデルと報酬の与え方を適宜修正していくことが可能になる.このような適応的で可塑的な生活インフラを提供していくことで,人の生活行動をさりげなく誘導(ハーネシング)できる.さらに,家のみでなくEV車の走行データから運転者モデルの分類とエリア全体でのマクロシミュレーションを行うことで,生活者の時間的・空間的性質の創発について,建築学での時間地理学を用いて実証分析する.そして経営学を結びつけることで,低炭素化と経済の関係を明らかにし,エコ生活を媒介させることで学習コミュニティの実現に向けた社会規範のデザインに取り組む.

生活者個人から生活圏全体までを対象とした行動支援のイメージ
生活者個人から生活圏全体までを対象とした行動支援のイメージ