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05 企業価値向上のための文化財の活用方法を考える
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経営コンサルタントとして企業の課題解決を専門に仕事をしている一方で、デザイン思考を活用した新たなアイデア等の導出を京都大学フェローとして学んでいます。文化財というキーワードで、私自身が悩んでいることを率直にテーマにしてみました。3日間のワークで一気に妙案に至るとは限りませんが、日本や京都が考える価値のあるテーマだと思っています。

実施者
氏名 所属 専門分野
磯崎 彦次郎 (株)野村総合研究所
社会システムコンサルティング部
イノベーション、海外新事業創造
課題内容

日本、特に京都には、美術品や建物をはじめ文化財を有する企業が存在する。しかし、文化財の活用は、資料館として公開したり寄贈や寄付をしたりする形式が多く、企業の中では文化財を維持・管理することが逆に企業の収益を悪化しているという指摘がされることが少なくない。
 この点を問題意識として、文化財という独自の資産を活用して、企業の価値(収益やブランド)を高めるための画期的な方法を検討していきたい。具体的には、いくつかの候補(日新電機、島津製作所、任天堂など)の中から企業を特定し、その文化財を確認する。その上で、どのような形で文化財を活用すれば、誰にどのような効果があり、企業の価値向上に役立つというストーリーを作成する。
 ストーリーは、文化財を活用する相手(一般市民・行政・美術館など)に対して魅力的に語られるべきであるとともに、企業の経営陣に対して文化財活用を促す内容である必要がある。つまり、ストーリーを相手に併せて、複数のバージョンを作成することを考えている。

教育目標

文化財の意義や社会的価値を損なうことなく、企業の経済合理性の文脈において、デザイン思考がどのように機能するのかについて理解を深める。

相手に合わせてストーリーをどう展開・変更するべきか、どう伝えるべきかについて習得することが可能であると考える。特に、デザイン思考で活用されるプロトタイピングを相手・内容に応じてどう使い分けるかへの理解を深める。

デザイン理論・手法
【デザイン理論】
  • アイデアジェネレーションなどのデザイン思考の考え方は講義を行う
  • 文化財を保有する京都企業(検討対象)については文献を提示する
  • 海外での文化財活用の画期的な事例については文献を提示する
  • 企業価値向上に向けたロジックは、適宜ガイダンスし検討を深める
  • (※以上は、代表者である磯崎が準備し対応するつもりである)
【デザイン手法】
  • ブレインストーミングでは、ポストイットを活用して数多く出すとともに、適宜思考空間を強制的に絞り込むことでアイデアのブレークスルーを図る
  • 京都企業の保有する文化財は目で確かめるほうが理解が早いのでフィールドワークを行う。また、活用相手(市民・美術館など)に対するアイデアの広がり・深みが不十分なときは、ヒアリングを行う。
  • 相手(企業/市民・美術館など)に合わせたプロトタイピングを多用して、ストーリーを伝える工夫を取り入れる
スケジュール
1日目
午前
  • デザイン思考の考え方・検討の進め方の説明と理解
  • 京都企業の候補企業についての説明と議論、対象企業の設定
  • 午後の行動計画の作成
午後①:昼食~コーヒーブレイク
  • 対象企業の文化財の視察(資料館への訪問など)
  • 観察結果の共通
午後②:コーヒーブレイク~夕方
  • 文化財活用に向けたアイデアジェネレーション
  • 活用相手(誰を想定して文化財を展開するのか)についての議論
  • 翌日の行動計画の作成
2日目
午前
  • 活用相手のペルソナ作成
  • 活用相手(例:美術館やそこを訪れる市民など)へのヒアリング・観察
午後①:昼食~コーヒーブレイク
  • 活用相手のインサイト抽出
  • インサイトを踏まえた活用方法の議論
午後②:コーヒーブレイク~夕方
  • 活用相手向けストーリー作成
  • 企業向けストーリー作成
最終日
午前
  • プレゼンテーション準備(KRP)
午後
  • プレゼンテーション(KRP)