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16 京都観光に不便益な仕掛けのデザイン
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 「ネルネルネルネ、練っときました」というお菓子には、だれも興味をもたないでしょう。「京都観光、代理で行って来ます」というサービスも、普通は嬉しくないです。その対極にある仕掛を考えましょう。
実施者
氏名 所属 専門分野
川上 浩司 京都大学 デザイン学ユニット 不便益
平岡 敏洋 京都大学 情報学研究科 人間機械系
松村 真宏 大阪大学 経済学研究科
経営学系専攻
仕掛学
課題内容
 仮に、身体を動かさずに済む事や頭を使わずに済む事を便利というなら、観光とはそもそも不便を楽しむものではないでしょうか?伊勢神宮が江戸の近くにあったら、弥次喜多道中は存在しません。ツアーバスに乗っているだけで観光地を巡るという便利な方式では、その地に行ったという「記憶」はあっても「想い出」が残らなかったという経験をした人は多いと思います。辞書によれば、便利とは「思い通りになること」です。思い通りにならないアクシデントがあった(つまり不便だった)旅行の方が、想い出も多いと感じませんか?
 でも、そのような旅を観光客に“強いる”事はできません。男性ならわかると思いますが、ハエのシールが貼ってあるだけで、そこを狙ってしまいます。人の行動を、直接的に強いることなく、間接的に誘う仕掛というものがあります。
 多くの観光資源が隠されている京都ならではの、「不便」だからこそ「益」のある観光に誘う仕掛をデザインしましょう。不便益と仕掛学のレクチャーの後、アイデアを交換し合い、不便益な仕掛を施した時に起こる「こと」を描いた絵コンテなどをアウトプットとします。
教育目標
 人を含む系(システム)をデザインする際には、効率化や自動化以外にも指針があり得ることを、実体験を通して理解する。また、人を間接的に誘う様々な仕掛けに対する理解を深める。
デザイン理論・手法
【デザイン理論】
 不便の効用を活かすというデザイン指針を、実施者(川上と平岡)がレクチャーする。また、人を間接的に誘う仕掛に関しても、実施者(松村)がレクチャーする。
【デザイン手法】
 アイディエーションは、ブレインストーミングの4原則を導入した発散段階と、グループ間でのバトルを導入した収束段階から構成する。
スケジュール
1日目
午前
  • 不便益と仕掛学のレクチャーの後、質疑応答により理解を深める
午後①
  • 簡単なテーマを例題とした、バトル形式のブレインストーミングの体験
午後②
  • 京都の観光資源百景、不便な所百景、便利な所百景の作成
2日目
午前
  • バトル形式のプレインストーミングによる、仕掛のアイディエーション
午後①
  • アイデアの交換と、仮想体験による肉付け
午後②
  • プレゼンテーションに向けたアイデアの精緻化
最終日
午前
  • プレゼンテーション準備
午後
  • プレゼンテーション