17 ハイスピードカメラを使って日本文化を表現し,
プロジェクションマッピングする.

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関係者・関係組織
実施者
土佐 尚子(京都大学情報環境機構・学術情報メディアセンター)
藤岡 千也(京都大学情報環境機構・学術情報メディアセンター)
中津 宏平(京都大学情報環境機構・学術情報メディアセンター)
山本 和矢(株式会社 ナックイメージテクノロジー)
課題内容
来年は琳派400周年記念である.京都が生んだ日本文化:琳派を,ハイスピードカメラを使った映像表現を考え,京都タワーにプロジェクションマッピングするデザインを考える企画である.
琳派とは,安土・桃山時代から江戸初期に発生した大和絵の伝統を元に,絵画を中心にして豊かな装飾性・デザイン性をもち,書や工芸にまで発展した芸術.その特徴は,金銀箔をバックとした大胆な構図を基本として,花鳥風月・山川草木・月雪花といった日本の自然美を表現する.風神雷神図に代表される琳派の芸術には,新しさ・大胆さがある.琳派は,欧米ではRIMPA Schoolとして影響を与えており,京都が世界に影響を与えた文化.2015年は,本阿弥光悦が1615年に,徳川家康から京都洛北鷹峯に所領を賜り「光悦村」を築いてから400年を迎える.
古来,人間は学問や感性を,自然界から学んできた.自然界には多様なパターンがある.それをモデル化する等により,自然界の多様なパターンをデザインに取り入れるというのは一つの考え方である.この考え方に基づいたアプローチとしてフラクタルを用いるものや,流体力学に基づいた流体の可視化の方法等がある.しかしこれらの方法で作り出させたデザインは,主にコンピュータで生成するため画一化の傾向をもっており,より偶然事象が入った自然現象にもとづくデザインの生成が望まれる.
ここでは,流体(絵の具等)に音の振動を与え上下に飛び跳ねる現象を作りだし,それをハイスピードカメラで撮影するという手法による多様なデザインの自動生成を実験する.種々な原材料が持つ異なる粘性,色またそれに動きを与える振動パターン,さらには短時間で生起する現象を高速度でとらえるデジタル映像技術などがあいまって,極めて多様で偶然性に富んだパターンが生成される.この自動生成された有機的なデザインから,琳派の表現を作ってみよう.
教育目標
アート,文化&テクノロジーの融合から生まれる自然現象の新しいデザインメソッドを学ぶ.その映像デザインを京都タワーへのプロジェクションマッピングのシミュレーションを通して,社会の中で,どのように意味付けし,アウトプットしていくのかを議論する.
デザイン理論
バウハウス(Bauhaus)から,ジョージケペシュが作ったMITのCAVS (Center for Advanced Visual Studies)のアート&テクノロジー研究,最新のメディアデザイン理論まで
デザイン手法
参考図書「カルチュラルコンピューティング」NTT出版