京町家は、歴史都市京都の景観をかたちづくる重要な構成要素である。
しかし、花折断層などに起因した直下型地震が発生した場合には、倒壊する可能性も高い。
耐震診断・耐震改修の促進が急務であることは論を待たないが、そのためには、診断法や改修法の構築などのハード面での取り組みだけでなく、行政による補助制度の改善(行政としての費用対効果や助成制度の実効性)、建設関連業者の協力体制強化、住民心理を考慮した意思決定支援など、ソフト面でも多くの課題と改善点が存在している。
本課題では、京町家を対象として、
- 京町家の耐震安全性
- 伝統構法木造建物の耐震診断法や改修法
の実際を現場で体感するとともに、ハード面・ソフト面で山積する多くの課題を実感するとともに、十分に耐震診断・耐震改修の促進が進まない現状に対するブレークスルーを行うべく、それらの促進策のデザインを行う。