例えば,あんパンを製造する生産機械を設計し,工場に納品し,稼働させ,別の種類のパンを作れるように工夫し(あるいは改造し),使い続けるシーンにおいて,どのように人と機械が役割を分担し,投資効果を最大にするか,をデザインする.
その際には、生産システムの新しい姿と設計法を考えると同時に,例えば,次のような未来社会のあるべき姿の考察も同時に行う.
- 生産機械を設計する際には,経営者・労働者・流通販売・消費者にとってのメリットが何なのかを考慮し,参加者全員のバリューチェーンをデザインする.
- 学生の皆さんが50~60才になったころに,どんな世の中になっているかを予測し,日本のパン工業・産業が競争力を維持するにはどうあるべきか?を考える.
- パンを売るのではなく,小さな安い専用機と種をセットで,目の前で焼いて食べられる機能の販売サービスや,少量委託生産サービスなど,ユーザ参加型・オンデマンド型などの次世代パンソリューションビジネスを創造する.
- あんパンだけでなく,多品種を低コストで作り分けられるためには,パン製造機はどうあるべきか?そこで人は同かかわるべきか?を設計する.
- パンビジネスを例題にして,新しい時代をリードする生産システム体系の創造ができるかを考え,Value Engineeringなど,現在の大企業で良く用いられる新製品の発想法自体のイノベーションを試みる.