テーマ

これまでにない参加型ニュースメディアをデザインする
関係者・関係組織
実施者
赤倉 優蔵(日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ))
清水 淳子(WATER DESIGN)
藤代 裕之(法政大学社会学部)
課題内容
ソーシャルメディアの登場によってマスメディアは「死ぬ」と予測されていた。確かに新聞やテレビの経営は危機を迎えているが、新たなチャレンジも行われている。 イギリスのガーディアン誌はデータを駆使し、ユーザーを巻き込む「オープン・ジャーナリズム」を提唱。 アメリカでは投稿型政治サイトの ハフィントンポストが老舗ニューヨークタイムズのアクセスを抜いた。 従来マスメディアは自前主義を貫いていたが、外部の資源を活用した取り組みはジャーナリズムの世界におけるオープンイノベーションと言っても良いだろう。

一方日本では、ニコニコ動画、BLOGOSなどの取り組みはあるものの、誹謗中傷が飛び交うコメント欄の議論は生産的なものではなく、参加も一部のユーザーにとどまっている。 テレビや新聞は、一部ネットユーザーから「マスゴミ」と批判されて良好な関係を築けていない。

日本のニュースメディアの課題を踏まえ、欧米の取り組みを参考にしながら、より多くの人々が参加してニュースを生み出し、社会に貢献し、影響を及ぼすこれまでにないニュースメディアをデザインすることを目指す。 海外で成功しているメディアのアーキテクチャを模倣するのではなく日本のネットカルチャーを踏まえたオリジナルのものとする。

教育目標
ソーシャルメディアの登場により「誰もがジャーナリスト」時代における課題と可能性を理解する。その上でニュースメディアをデザインするという取り組みを通して、アイデアを具体化するスキルを身につける。
デザイン理論・デザイン手法
ここで取り組むのはニュースサイトと人々がどのように良好な協力関係を築くためのインタラクションをデザインする。 その際に、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、の4マス+インターネットという既存のメディアの枠組みだけではなく、イベントや大学など、世の中のあらゆる場所をメディアとして捉える。

参考文献
  • ヘンリー・チェスブロウ『OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて』産能大出版部 、2004
  • トム・ケリー『発想する会社!』早川書房 、2002
  • 濱野智史『アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか』NTT出版 、2008
スケジュール
一日目
午前
  • オリエンテーション
  • 欧米のニュースメディアの潮流のミニ講義
午後
  • 調査分析(国内外のニュースメディアを調査し、その課題と改善点を把握する)
ニ日目
午前
  • 調査分析の共有
  • デザインに関するミニ講義
午後
  • グループワーク
三日目
午前
  • 発表会の準備
午後
  • プレゼンテーション