本ワークショップでは,「分散・協調」をキーワードとして,環境や生活安全といった身近な問題を解決するシステムのデザインを考える.
システムの構成要素を「分散化」し,個々の要素をお互いに「協調」させることで,従来の集中型のシステムでは達成できなかった機能を実現できることがある.
たとえば,電力システムを例としてあげると,発電機自体を分散化し,複数の小型発電機をネットワークで結んだうえで,それらを適切に協調制御するというものがある.
電力システムを分散化することにより,エネルギーの地産地消の実現や耐故障性の向上などのメリットが生まれる.
このように,分散協調システムのデザインは,QOL(Quality of Life) の向上や経済活動の活性化などに貢献すると考えられる.
もちろん,工学分野以外の,経済,医療・福祉,農業,生物分野においても同様であり,システムのハード面/ソフト面の分散協調化によって,従来の常識を超える機能を実現できる可能性がある.
そこで,本ワークショップでは,環境や生活安全などの問題・課題を題材として,未来(近い将来)の分散協調システムを,自由な発想で検討したい.
その中で,分散化された要素を「どのように協調させるか?どう制御するか?」について,数理工学の知見を利用しながら考えてみたい.