テーマ
不便益なシステムの設計とプロトタイピング
関係者・関係組織
実施者
川上 浩司(京都大学 情報学研究科 システム科学専攻)
平岡 敏洋(京都大学 情報学研究科 システム科学専攻)
課題内容
ユーザにとって表面的に「便利」なモノやコトは、逆にユーザ疎外などの問題の温床になることがある.モノやコト単体ではなく, それをとりまくユーザや環境をも視野に入れる出発点として,工学的視点から「不便である」ことをもう一度見直し,それに基づくシステム設計論の一つに“不便益”という考え方がある.
本テーマでは,「不便であることを逆に活用する」ことをテーマに,身の回りにある既存のモノやシステムを不便益なものにするという設計とペーパープロトタイピングを行う.
なお,昨年度の本テーマで生み出されたアイデアの一つが,素数ものさしである.
教育目標
便利や効率を求めていれば良いというのは,楽な問題設定であり,かつ思考の制限にもなることを,それを外したデザインの経験を通して体感する.
デザイン理論
不便を活かすデザイン(DOJIN選書)の一部を配布し,本テーマの考え方のベースを学ぶ.
さらに,D.A. Normanの誰のためのデザインやエモーショナルデザインなどの一部を配布して,認知心理学から人間−機械系へのアプローチを学習ぶ.
デザイン手法
TRIZ(発明的問題解決理論)
不便益カードを用いたブレストバトル(バトル形式のブレーンストーミング)
ペーパープロトタイピング
スケジュール
一日目
午前
テーマ・目的の説明,不便益を説明しブレストバトルでアイスブレーキング.
午後
Normanの資料に基づきディスカッション,再びブレストバトルによりデザインターゲット決定.
ニ日目
午前
デザイン案決定,ペーパープロトタイピング一回目.
午後
デザイン案修正,ペーパープロトタイピング最終版作成開始.
三日目
午前
プロトタイプ完成ならびにプレゼンテーション準備.
午後
プレゼンテーション