テーマ

チームワークのデザイン
関係者・関係組織
実施者
西尾 泰和(サイボウズ・ラボ株式会社)
竹迫 良範(サイボウズ・ラボ株式会社)
課題内容
本ワークショップの目的はチームワークのデザインです。持っている知識や価値観の異なる複数の人間が、個々人の知識を共有し協力してよい成果を出すにはどうすればよいか、が主題です。
本ワークショップでは、最終成果物として、みなさんが自分の所属する研究室やサークルで使うことができるような計画の提案を作ることを目指します。
チームとしてこの提案を作ることで、ワークショップの主題である「持っている知識や価値観の異なる、複数の人間から構成されたチームの中で、個々人の知識を共有し、よい成果に結びつける」を実践を通じて学ぶことができます。
また、演習の合間には、みなさんをインスパイアするような文献・論文の紹介を行います。
教育目標
バックグラウンドの異なる参加者とともに、過去の研究が提供する視座を学び、また、ブレインストーミング、KJ法による断片的情報の構造化、取捨選択、 プレゼンテーションという一連の流れを経験することで、チームとして成果を出す方法論と、それを状況に合わせてデザインすることができる能力を身につける。
デザイン理論
参考文献は以下の通り。講義形式で下記の理論を学習する。
  • 川喜田二郎のKJ法
  • プラグマティズムに至る、哲学史上の「真実」の定義に関する議論の紹介
  • M・ポランニーの暗黙知の次元
  • 野中郁次郎のSECIモデル
  • トーマス・H・ダベンポート, ローレンス・プルサック “ワーキング・ナレッジ 「知」を活かす経営”
  • Thomas J. Allen and Stephen I. Cohen “Information Flow in Research and Development Laboratories”
  • Dave Gray, et. al. “ゲームストーミング 会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム”
デザイン手法
下記の手法について講義を実施し、ワークにおいて実践する。
  • ブレーンストーミング
  • KJ法
スケジュール
一日目
座学
以下の「座学」は5~25分程度を一単位として、演習の合間に行う。
新しい視点を導入することで、アイデア発生を促すことを目的としたものである。
  • オリエンテーション
  • このプロジェクトの目的の確認
  • 「理想、現実、ギャップ、解決方法」のフレームワーク
  • 「書いてから考えよう」(貼り出し法)
  • 「断片的情報の構造化」(KJ法の生まれた経緯、方法)
  • 「外部の知識を取り入れる」(ゲートキーパー、組織の吸収能力)
  • 「モチベーションをかきたてるには?」(マクレランドの欲求理論)
  • 「言語化されていない知識」(暗黙知の次元、SECIモデル)
  • 「知識の正しさ」(プラグマティズムの生まれた経緯)
演習
  • アイスブレーキング(共通点探しゲーム)
  • タイムトライアルアイデア書き出し演習(貼り出し法)
  • KJ法A型、KJ法B型
ニ日目
2日目では座学を演習の合間に「脳の違う場所を使う」ことで創発を促すために挿入する。
座学
  • 「実現可能性について」
  • 「実行に必要なリソースについて」
  • 「効果の測定について」
演習
  • 提案のタイムトライアルアイデア書き出し(貼り出し法)
  • ディスカッション、ブレインストーミング、KJ法A型
  • KJ法B型で提案文章にまとめる
三日目
演習
プレゼンテーション実践
  • 「どうすればより伝わりやすくなるか」についてディスカッション
  • 発表資料のブラッシュアップ