このワークショップのテーマはサマーデザインスクール２０１７で実施された“京都でのユニバーサルデザインを考える”の続編である。

京都市では、平成17年に「京都市みやこユニバーサルデザイン推進条例」が施行された。条例の前文には「ここ京都では，長い歴史の中ではぐくまれてきた支え合いの精神，芸術，技術等の京都が有する多様かつ豊かな蓄積により，個性豊かで先駆的な生活文化を生かした活力ある社会が築かれてきた。このような京都が，情報化，国際化，少子長寿化その他の社会経済情勢の変化の中で，将来にわたって，活力ある社会を形成し続けるためには，市民一人一人の多様な価値観や暮らし方が尊重されるようにしなければならない。これまでも，本市においては，自治の伝統，もてなしの心，ものづくりの文化その他の京都固有の文化を生かしながら，高齢者や障害者の社会参加への支援，子どもを安心して生み，育てることができる環境の整備，建築物のバリアフリーの促進その他の多様な考え方や生き方が尊重される社会の実現に向けた歩みを進めてきた。その歩みをより強く確実なものにしていくためには，京都が有する多様かつ豊かな蓄積にユニバーサルデザインを採り入れ，年齢，性別，言語，習慣，心身の状態にかかわらず，すべての人にとってできる限り生活しやすい社会環境の整備に積極的に取り組む必要がある。」と示され、敢えて“みやこユニバーサルデザイン”という言葉を掲げ、総合的な推進を目指している。

　最近、海外からの観光客は増加の一途で、東京オリンピックの開催を控えさらに増大すると言われる。これら京都に訪れる方々に対する配慮もユニバーサルデザインのテーマとして重要であるが、京都に生活する方々にとって住みやすいという事も重要である。訪れる人、生活する人の双方に目を向けたユニバーサルデザインの構築が急務であり、理屈ではなく実践可能なアイディアの創出が求められる。

　このワークショップのテーマは“続・京都でのユニバーサルデザイン”である。昨年は“ゆるやかな個別対応”という方向が成果として得られたが、それを踏まえてより具体的な京都でのユニバーサルデザインの展開を目差す。

1. ユニバーサルデザインの実践を体験する。
2. デザイナーの問題発見、解決手法を実践、問題解決に帰結させるに至る思考プロセスを学ぶ。
3. アイディアの展開及びフィジカル化。デザイン構想のフィジカル・プロトタイピングの手法を学ぶ。

ユニバーサルデザイン デザイン教育理論（京都市立芸術大学デザイン科プログラムより）
デザイン造形基礎（京都市立芸術大学デザイン科プログラムより）

• デザイン実技教育に於けるデザイン手法
• デザインイメージの情報化及びプロトタイピング