コミュニケーションの効率性を求めるなら英語が便利でしょう。しかし、言語にはその地域が育んできた文化や慣習を表現する言葉がたくさんあります。そういった翻訳できない言葉を超えて文化を伝える方法を考えましょう。
方言や外国語を話す方、好きな方、集まれ!
専門分野は問いません。
氏名 | 所属 | 専門分野 |
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村上 陽平 | 京都大学デザイン学ユニット | Services Computing,Intercultural Collaboration |
石田 亨 | 京都大学情報学研究科社会情報学専攻 | Artificial Intelligence,InterculturalCollaboration |
林 冬惠 | 京都大学情報学研究科社会情報学専攻 | Services Computing,InterculturalCollaboration |
Arbi Haza Nasution | 京都大学情報学研究科社会情報学専攻 | Artificial Intelligence,InterculturalCollaboration |
中口 孝雄 | 京都情報大学院大学 | Services Computing,Intercultural Collaboration |
深層学習により機械翻訳の精度が大幅に向上しています。昨年11月にGoogleが機械翻訳を深層学習ベースのものに置き換え、世界に大きな衝撃を与えました。11月時点では8つの言語ペア(英仏、英独、英西、英葡、英中、英日、英韓、英トルコ)を、そして3月にはさらに3言語ペア(英露、英ヒンズー、英越)をサポートし、世界人口の約1/3をカバーしました。今後も順次対応言語が増え、学習を繰り返すことで翻訳精度がさらに向上すると言われています。
それでは、もうこれで言語の壁は取り払われ、多言語でのコミュニケーションが円滑に行われるのでしょうか。たとえば、ドイツ語には「Kummerspeck」という言葉があります。直訳すると「悲しいベーコン」となり、本来の「悲しみのあまり感情的になってやけ食いをして太る」というニュアンスが伝わりません。さらに、ドイツではより一般的なソーセージよりも脂肪分の多いベーコンを表すSpeckを用いているところに、罪悪感のようなものを込めているように感じずにはいられません。
このような翻訳できない言葉は、その言語を話す地域の文化や慣習が色濃く反映され、他の言語には見られない概念に割り当てられています。このテーマでは、このような翻訳できない言葉のニュアンスや意図に着目し、その背景にある文化を伝える方法を考え、異文化間の相互理解を促進させる仕組みを考案し提案します。
なお、本テーマでは、創出したアイデアの一部でも形にすることを目指します。プロトタイピングには、実施者が10年以上継続している多言語サービス基盤「言語グリッド」やIoTデバイスなどを用いる予定です。
普段何気ないコミュニケーションのために使っている言葉の独自性を再認識し、言葉のニュアンスの違いなどを通して、異文化理解力を鍛えます。
機械翻訳を用いた多言語コミュニケーション時の問題について実施者が講義を行います。
グループワーク全体を通して、101デザインメソッド(英治出版、2015)などを参考文献として、ブレインストーミングや半構造化インタビューなどのデザイン手法を実践します。