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12 「社会感情的能力」を高めて「実践に生かす」仕掛け作り
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実施者
氏名 所属 専門分野
野崎 優樹 京都大学 大学院教育学研究科 教育心理学・社会心理学
楠見 孝 京都大学 大学院教育学研究科 教育心理学・認知心理学
課題内容

社会感情的能力とは,「共感力」・「自己制御力」・「働きかけ力」・「ストレス対処力」など,他者と関わりあいながら社会で活躍する上で重要な能力の総称を指し示す用語である。また,教育や産業などを中心に幅広い分野から関心が集められており,感情知性 (Emotional intelligence; EI) とも呼ばれている。

社会における重要性を鑑みて,近年,国内外の教育現場や企業にて,この「社会感情的能力」を高めるセミナーが開催されている。しかし,セミナーを通じて学んだことは,ともすれば一過性のものになりがちであり,本来狙いとしていたはずの,「日常場面での実践」にまで至ることは難しいのが現状である。

このような問題を踏まえ,本ワークショップでは,セミナーで身につけた「社会感情的能力」を一過性のものに留めず,「実践に生かす」上で必要な仕掛けを考案することを目指す。具体的には,まず,実際に大学生や社会人を対象とした海外の研究で用いられている「社会感情的能力」を高めるセミナーを体験することで,「社会感情的能力」を高める方法の理論と実践について理解を深める。そして,セミナーで身につけた「社会感情的能力」を,一過性のもので終わらせないために,どのような仕掛けを施せばよいかということに関して,セミナー中に出来ること,セミナー後のフォローアップとしてできることに分解してアイディアを創出し,その効果の評価方法とあわせて提案することを目指す。

教育目標

本ワークショップの教育目標は以下の2点である。

  • 実際に海外で用いられているセミナーを体験することで,現在,教育現場や企業などで実施されている「社会感情的能力」を高めるセミナーの理論と方法を学習する。
  • セミナーで身につけた「社会感情的能力」を一過性のもので終わらせないために必要な仕掛けを,その効果の評価方法とあわせて考案することで,新たな問題発見や提案を行う力を身につける。

デザイン理論・手法
【デザイン理論】
  • 社会感情的能力のモデル化に関する理論(野崎がレクチャーする)
  • 社会感情的能力を高める方法のデザイン理論(海外での実践例を体験する)
  • 測定におけるテスト理論(野崎がレクチャーする)

【デザイン手法】
  • ブレインストーミング法,KJ法,ラダーリング法,ジャーニーマップ,ペルソナ・シナリオ法などのデザイン手法を,ワークを通じて体験する。
スケジュール
1日目
午前
  • アイスブレーキング・自己紹介
  • 「社会感情的能力」に関するレクチャー
午後①:昼食~コーヒーブレイク
  • 実際に用いられている,「社会感情的能力」を高めるセミナーの体験
午後②:コーヒーブレイク~夕方
  • 知識や能力を「実践」に移す心的メカニズムに関するミニレクチャーとディスカッション
2日目
午前
  • セミナーで身につけた「社会感情的能力」を一過性のもので終わらせないために必要な仕掛けについて,アイディア創出する
午後①:昼食~コーヒーブレイク
  • 「社会感情的能力」を高める取り組みに対する効果検証の方法について,アイディア創出する。
午後②:コーヒーブレイク~夕方
  • 最終報告に向けて,提案内容の取りまとめを行う。
最終日
午前
  • プレゼンテーション準備(KRP)
午後
  • プレゼンテーション(KRP)