日常生活の「出会い」から、新しい「自己開示の仕掛け」をデザインしよう!
氏名 | 所属 | 専門分野 |
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北野清晃 | 京都大学大学院情報学研究科 社会情報学専攻 博士後期課程/ワークショップデザイン研究所 代表 | 組織デザイン、ワークショップデザイン |
ワークショップやプロジェクトチームなどの、特定目的で一時的な組織を立ち上げる際には、メンバーの関係性づくりが重要となる。特に、ワークショップのように、協働性や即興性が求められる場においては、早期にメンバーの関係性を構築すること(≒アイスブレイク)が求められる。
アイスブレイクとは、初対面の人同士が集まったときの、氷のように硬直した雰囲気を壊す、という意味のメアファーである。一般的にアイスブレイクは、「初対面の人同士が出会う時、メンバーの緊張をときほぐしリラックスし雰囲気を作る技術」と言われている。しかし、アイスブレイクとは本当に「リラックスした雰囲気をつくる」だけなのだろうか?たとえば、どのような技法であれ、初対面の者同士がやりとりをすることで何らかの自己開示(自己呈示)が行われる。自己をどのように・どのくらいまで開示するかは、初対面であるがゆえに葛藤や駆け引きが発生する。自己呈示をどのようにデザインするかは、アイスブレイクのデザイン、さらには組織のデザインにも大きく関わっている。本テーマの冒頭では、いくつかのアイスブレイク技法をやってみることで、それらの意義を深く考えたい。
他方、これまで多種多様なアイスブレイク技法が提案されてきた。しかし、本テーマでは既存の技法はいったん捨てて考える。日常生活での何気ない「偶然の出会い」や「見知らぬ人との盛り上がった場面」の体験や観察からコンセプトをつくりあげ、新しい自己開示の仕掛けをデザインしたい。単なるアイデアで終わるのではなく、ワークショップやプロジェクトなど様々な場面で活用されうる成果物に到達することを目指す。