デザインは創造行為ですが、創とは傷を付ける事。まっ白い紙に鉛筆で傷を付ける事から創造は始まります。創を傷としてでは無く表現された情報として扱える能力こそが創造力なのです。アイディア展開は傷を如何に多く付けられるかがポイントです。
氏名 | 所属 | 専門分野 |
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塚田章 | 京都市立芸術大学美術研究科
プロダクトデザイン/産業工芸意匠領域教授 |
プロダクト・デザイン |
寳角光伸 | 京都市立芸術大学美術学部
プロダクトデザイン専攻非常勤講師 |
プロダクト・デザイン |
安積 伸 | 法政大学 システムデザイン学科 教授 | プロダクト・デザイン |
中坊壮介 | 京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科
プロダクトデザイン研究室 准教授 |
プロダクト・デザイン |
文化とは時間の流れの中で徐々に形成され、その社会に関る人々の共通の認識として価値が認められているものを指します。従ってその価値を教育して伝える機能が伴ってこそ文化は守られ、伝えられるのです。日本では2000年以上に渡って継続した文化が育まれており、その途絶える事の無い連続した文化は他国と比べて際立って独自なものです。しかし明治維新以降和文化と洋文化の使い分けが生じ、特に戦後、和は古いもの、洋は新しいものといった観念から和文化の価値を的確に伝える仕組みが失われ、日常生活に於いて徐々に和文化で育まれたものが姿を消す現状があります。しかし、京都には和の生活文化が息づいています。今日の生活では忘れ去られている様々なもの、営みも残されています。長年生活者が使い続け、改良を重ねられた完成度の高い道具、そうした物の中には今日の生活に応用したら素晴らしいと思えるものが沢山在るのです。
このワークショップはプロのデザイナーの問題発見、解決手法に迫って実施します。テーマは“和文化で育まれた生活用具を今日のアイテムとしてデザインする”です。畳の無い、床の間も無い生活をしている人が増えていますが、玄関で靴を脱ぐ、ご飯を食べるなど和の生活はしています。2000年以上続く日本文化の中には生活を快適にする為の知恵が沢山在り、京都にはその多くが残されています。ここでは和文化に育まれた生活用具を拾い出し、今日の生活に着地出来る様に改めてデザインします。従来の枠にとらわれない今の生活に活用出来る生活用具の創出が目標です。デザイナーの眼差しで、京都文化に育まれた様々なものに目を向け今日の生活に関るアイテムを創出したいと思います。また、机上のプランに終わらせる事無く可能な限りフィジカル・プロトタイピングの実践をします。