15年前、これほどのスマートフォンの普及は想像できたでしょうか。あらゆる情報が相互に結びつけられることで、私たちの生活は大きく変わっていきます。今後、あらゆる分野への活用が予想されるGISの基礎を学び、コンテンツの新しい活用を見いだす経験は、将来のビジネスにも活かされると確信しています。
氏名 | 所属 | 専門分野 |
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三浦 研 | 京都大学大学院工学研究科建築学専攻 | 建築計画 |
守山 基樹 | 京都大学大学院工学研究科建築学専攻 | 都市景観 |
安田 渓 | 京都大学大学院工学研究科建築学専攻 | 建築計画 |
重森 千青 | 重森庭園設計研究室 | 日本庭園 |
従来の観光が、名所をガイドブック等で予習してから訪問する、目的地訪問型の観光スタイルだとすると、その課題は、移動しながら主体的に情報を獲得するような、シークエンシャルなガイドに不向きな点にある。例えば、日本庭園のように、庭園内の随所に意味づけがなされた風景を、シークエンスの展開のなかで理解しようとしても、ガイドブックでは庭園内の場所が把握しにくく、ツアーガイドの解説がない場合は、オンサイトで庭園を楽しむことはなかなか難しい。
しかし、近年、GIS(地理情報システム)と呼ばれる、多様な情報を地図上で重ね合わせて表示させるシステムが発達してきた。スマートフォンなどのウエアラブルデバイスの普及も手伝い、都市のさまざまなコンテンツをオンサイトで収集、発信できる時代に向かっている。例えば、日本庭園の個々の景観の読み解き方を地理情報と関連付けて可視化できれば、シークエンスの展開のなかで日本庭園を楽しむ、という新しい探索方法を作ることができるのではないか。こうした手法が確立できれば、観光都市京都として、日本庭園という一級のコンテンツを時代に即した形で最大限に活用できるだろう。
そこで、このグループでは、1)いくつかの日本庭園を実際にフィールドに選定したうえで、その景観における実際の観光客の行動を把握したうえで、さらに、2)どの情報をどのように提示することが効果的なのか、都市文化コンテンツとしての日本庭園の情報を効果的に発信・活用する手法を検討し、3)実際にGISを用いた都市文化コンテンツの作成に挑戦してみたい。