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02 「愛着」のサステナビリティ 〜 京都市内の廃村をフィールドに
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京都中心部から車で約1時間ちょっと。峠をいくつか越えた山奥の廃村へ足を運びます。
人はどのようなものに「愛着」を懐き、それがどのようなカタチで存続・変化していくのでしょう。廃村の中で見つかる様々な要素を手がかりに、「愛着」について考えます。

実施者
氏名 所属 専門分野
阿部 将和 京都大学大学院情報学研究科 情報学
川勝 真一 RAD (Research for Architectural Domain) 建築学
北 雄介 京都大学デザイン学ユニット 建築学
課題内容

人々が暮らす集落には、自然環境・歴史・習俗・場所・形式・雰囲気など、さまざまなものに対する「愛着」が存在してきました。しかし、近年の過疎化・高齢化の影響により、今後は多くの集落が消滅すると言われています。集落に人が住み続けることが困難になった場合でも、これまで存在してきた「愛着」や、これから新しく生まれる「愛着」を、何らかのカタチで持続させることはできないでしょうか。
 本テーマでは、京都市左京区大原大見町(以下「大見村」)を題材に、「愛着」について考えることを目的とします。大見村は、1970年代に廃村状態となった集落で、現在は住民がひとりしかいません。一方で、村の再生を目的とした「大見新村プロジェクト」を中心に、耕作放棄地の開墾、古民家改修、狩猟、台風で倒壊した神社の解体など、様々な活動が行われており、新しいライフスタイルを探求している地域でもあります。
 一日目は、大見新村プロジェクトの協力の下、実際に大見村を訪問し、現地の観察や現住民との交流を通して、フィールドの特徴を分析します。二日目は、参加者が大見村の住民として“なりきる”ことで、未来の大見村の暮らしを想像し、人が「愛着」を持つ対象や要因、程度、持続可能性を分析します。最終的には、未来の大見村において「愛着」を持続させるための仕組みをデザインします。

教育目標

実際にフィールドを訪問し、現地の観察やステークホルダーへのインタビュー調査から特徴を抽出し、問題の本質を見抜く方法を身につける。また、ロールプレイにより共感を伴う形で物事を捉え、それぞれの立場による認識を理解することで、同じ事象を様々な観点から分析する力を養う。抽出された特徴の分析結果から、問題に対する制約条件を自ら設定し、その解決策を提案する過程を通して、参加者の問題発見・解決能力を向上させることを目標とする。

デザイン理論・手法
【デザイン理論】・【デザイン手法】
  • ロールプレイによる共感性に基づいた思考プロセス
  • フィールド調査・分析手法:インタビュー調査、マトリクス分析等
  • アイディア創発・評価手法:ブレインストーミング、バックキャスティング、リフレーミング、極端思考、C-BOX、PMI等
(分析結果や創発されたアイディアに応じて適切な手法を採用する)
スケジュール
1日目
午前
  • 大見村へ移動
  • 自己紹介・アイスブレイク
午後①:昼食~コーヒーブレイク
  • ステークホルダーへのインタビュー調査
  • 対象地域の観察と分析
午後②:コーヒーブレイク~夕方
  • ディスカッション(情報整理と気づきの共有)
  • KRPへ移動
2日目
午前
  • ディスカッション(1日目の振り返りと目標の明確化)
  • アイディアの創発(ロールプレイを実践し、未来の大見村の暮らしを考える)
午後①:昼食~コーヒーブレイク
  • アイディアの選別(「愛着」に基づきアイディアを評価・選別する)
  • アイディアの深化(「愛着」の発生と存続のプロセスを考える)
午後②:コーヒーブレイク~夕方
  • アイディアの具体化(スケッチング、フィジカルプロトタイピングなど)
最終日
午前
  • プレゼンテーション準備(KRP)
午後
  • プレゼンテーション(KRP)