京都中心部から車で約1時間ちょっと。峠をいくつか越えた山奥の廃村へ足を運びます。
人はどのようなものに「愛着」を懐き、それがどのようなカタチで存続・変化していくのでしょう。廃村の中で見つかる様々な要素を手がかりに、「愛着」について考えます。
氏名 | 所属 | 専門分野 |
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阿部 将和 | 京都大学大学院情報学研究科 | 情報学 |
川勝 真一 | RAD (Research for Architectural Domain) | 建築学 |
北 雄介 | 京都大学デザイン学ユニット | 建築学 |
人々が暮らす集落には、自然環境・歴史・習俗・場所・形式・雰囲気など、さまざまなものに対する「愛着」が存在してきました。しかし、近年の過疎化・高齢化の影響により、今後は多くの集落が消滅すると言われています。集落に人が住み続けることが困難になった場合でも、これまで存在してきた「愛着」や、これから新しく生まれる「愛着」を、何らかのカタチで持続させることはできないでしょうか。
本テーマでは、京都市左京区大原大見町(以下「大見村」)を題材に、「愛着」について考えることを目的とします。大見村は、1970年代に廃村状態となった集落で、現在は住民がひとりしかいません。一方で、村の再生を目的とした「大見新村プロジェクト」を中心に、耕作放棄地の開墾、古民家改修、狩猟、台風で倒壊した神社の解体など、様々な活動が行われており、新しいライフスタイルを探求している地域でもあります。
一日目は、大見新村プロジェクトの協力の下、実際に大見村を訪問し、現地の観察や現住民との交流を通して、フィールドの特徴を分析します。二日目は、参加者が大見村の住民として“なりきる”ことで、未来の大見村の暮らしを想像し、人が「愛着」を持つ対象や要因、程度、持続可能性を分析します。最終的には、未来の大見村において「愛着」を持続させるための仕組みをデザインします。
実際にフィールドを訪問し、現地の観察やステークホルダーへのインタビュー調査から特徴を抽出し、問題の本質を見抜く方法を身につける。また、ロールプレイにより共感を伴う形で物事を捉え、それぞれの立場による認識を理解することで、同じ事象を様々な観点から分析する力を養う。抽出された特徴の分析結果から、問題に対する制約条件を自ら設定し、その解決策を提案する過程を通して、参加者の問題発見・解決能力を向上させることを目標とする。