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28 「問いの教科書」をすてる
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 本テーマでは、退屈な会議を創造的に変革したい会社のマネージャーの方、受け身の授業を活気あふれる生徒主体の学び場に変革したい学校の先生など、自らが主催する会議参加者の思考を刺激するような「深い問い」をデザインしたいと考えておられる方々にお薦めです。また、デザインワークショップや創造的な会議を開催したことはないが、最初から独自の視点で開催したい方にもお薦めです。
実施者
氏名 所属 専門分野
塩瀬 隆之 京都大学 総合博物館 インクルーシブデザイン
安斎 勇樹 東京大学大学院 情報学環 インクルーシブデザイン
課題内容
 「世の中にない新しいサービスを考えろ」「自由に発想して好きなことをなんでも話し合ってください」どんなに声を荒げても、どんな猫なで声を出しても、参加者の思考は深まらない。退屈な会議を創造的に変革したい会社のマネージャーも、受け身の授業を活気あふれる生徒主体の学び場に変革したい学校の先生も、自らの「問い」の質を棚上げして参加者のモチベーションの低さと発想力の乏しさに話題をすり替えたい衝動に駆られる。
 本テーマでは、参加者の思考を刺激する「深い問い」のデザイン手法の習得を目指す。どんな「問い」を投げかければ社員や生徒の思考を刺激できるのか、いかにして問いを試し、問いの質を評価し、そして新たな問いを作り直すのかを習得する。
 具体的には、【問いのテイスティング】や【問いの因数分解】など、問いのデザインに関する最新の理論と方法論を実践しながら習得することを目指す。また、参加者個々人が各領域、各組織において考えを深めるために投げかけたい「深い問い」がある場合は、各自開発できるように問いの<開発-試行-評価-改善>の方法を獲得することを目指す。
教育目標
 参加者は、【問いのテイスティング】や【問いの因数分解】など、問いのデザインに関する最新の理論と方法論の習得を目指す。そこで獲得した問いの質を評価する観点から、「深い問い」の投げかけを生業とする実務者や、サマーデザインスクールのテーマ発題者ら各実践者への【ヒアリング】を通じて、多様な「問い」の実例を構造解析する。
 さらに、参加者個々人が所属する各領域、各組織において考えを深めるために投げかけたい「深い問い」を各自が開発できるようにミニワールドカフェなどを通じた問いの【ラピッドプロトタイピング】を体験する。
デザイン理論・手法
【デザイン理論】
  • 問いのテイスティング
  •  問いによって、受け手に喚起される認知過程や感情は異なる。いくつかの問いのサンプルに実際に答えてみる(味見する)ことによって、”良い問い”と”悪い問い”を考えるためのきっかけとする。
  • 問いの因数分解
  •  ひとつの問いは、性質の異なるいくつかの小さな問い、制約条件、書かれていない暗黙の前提の集合によって構成されている。それらを分解してひも解いていくことによって、問いを微視的に分析する視点を身につける。
 など、最新の問いのデザイン理論を、安斎と塩瀬が講義する。
【デザイン手法】
 半構造化インタビューなど【ヒアリング】の手法を、塩瀬が講義し、「深い問い」の実践者にヒアリングの実践を行う。また、ミニワールドカフェなどを通じた問いの【ラピッドプロトタイピング】について、安斎が講義し、実際に参加者を通じて問いの<開発-試行-評価-改善>プロセスを何度も循環させる問いのデザイン手法を実践的に習得する。
スケジュール
1日目
午前
  • 【問いのテイスティング】【問いの因数分解】など最新のデザイン理論の習得
午後①
  • 【ヒアリング1】 「深い問い」の実践者へのヒアリング1
午後②
  • ミニワールドカフェなどによる問いの【ラピッドプロトタイピング】1
  • 参加者各自の関心領域における「深い問い」のデザイン1
2日目
午前
  • 【問いの修辞学】
午後①
  • 【ヒアリング2】 「深い問い」の実践者へのヒアリング2
午後②
  • ミニワールドカフェによる問いの【ラピッドプロトタイピング】2
  • 参加者各自の関心領域における「深い問い」のデザイン2
最終日
午前
  • プレゼンテーション準備
午後
  • プレゼンテーション