課題内容
本テーマでは、今、そこに居るから見えること、聞こえること、感じられること、わかること、体験できること、といった価値を、隠れた視点の発見という側面から考えます。日常見逃されがちな視点をあぶりだし、その視点から我々を取り巻く環境や物事を切り出します。そのアプローチとして、寺の地面や野菜の断面、数十センチの高さの水平の視線といった、何気なく見過ごしている視点/見逃されがちな側面/思いがけない切り分け/埋もれた視点/興味の対象を、知的好奇心をもって見つけ出し、対象とする様々な物事の写真として切り取り/切り出し/フォーカスします。それらの写真の記録/合成/比較を通して、図鑑として成立し得るレベルのものを創り出します。
創り出すものには、図鑑として納得のいくようなものであるという制約があります。写真集ではなく、フォトエッセーではなく、Instagramではなく、Pinterestでもなく、図鑑です。百科事典ではなく、辞書でもなく、図鑑です。図鑑のビジュアルなレイアウトや統一感は実施者が技術支援するものとし、グラフィックデザイン自体はその目的ではありません。図鑑として成立するような知的に面白い視点をとりあげ、それに関わる画像をキュレーションし、それを図鑑として楽しむことができるものとして作り上げることが目的です。