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12 二度目の京都旅行を認知心理学でデザインする
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 記憶や学習などに関する認知心理学の基礎研究を,旅行という私たちの生活の一場面にうまく応用してみることに一緒にチャレンジしてみませんか?
実施者
氏名 所属 専門分野
高橋 雄介 京都大学 教育学研究科 教育心理学
守谷 順 関西大学 社会学部 認知心理学
課題内容
 旅行は,強く思い出に残り,後に,楽しい,なつかしいといったような記憶を喚起させたり,旅先が自分にとって新しい考え方や捉え方を提供してくれたりすることが醍醐味です。京都は,2014・2015年と2年連続で,アメリカの大手旅行雑誌で観光都市ランキングの1位を獲得した世界に冠たる観光地であり,私たち日本人にとっても,修学旅行生の22% (1997年)から32% (2013年)が京都を訪れるなど,旅先として非常に身近な都市です。
 本ワークショップでは,日本人にとって(そしてまた外国人にとっても)身近で魅力的でそしておそらくは一度は訪れたことのある京都という観光地に,再度訪れるとしたら,どのようなプランで臨むことがより記憶に残り,学習として定着し,後になつかしさを感じる有意義なプランになるのか,認知心理学の知見に基づいて考えることを目標とします。
 具体的には,記憶・学習・ノスタルジーなどに関する認知心理学の基礎研究に関して理解を深めると同時に,それらの研究結果は実際の京都旅行にどのように活かすことができるのかを考察します。旅行をデザインする際に関連するであろう心理的な機能について概説を行ったうえで,複数の認知実験(のデモ)を実体験しながら,実際に京都の街に繰り出して二度目の京都旅行の目的を達成する方法を見つけるための手がかりを得ます。最終的には,少なくともひとつ認知心理学の知見を盛り込んだ二度目の京都旅行プランを提案することを目指します。
教育目標
 本ワークショップの教育目標は,
(1) 記憶・学習・ノスタルジーなどに関する認知心理学の知見に関して理解を深めること(記憶の特徴(例えば,似た意味を関連して覚える,最初と最後に見たものは印象的に覚える等)を理解し,実体験しながら,旅行の経験を思い出す際にいかにしてポジティブな感情(ノスタルジーなど)を生起させることができるのかを考える),
(2) それらの基礎研究に基づく知見と実際の生活場面(今回の場合は,二度目の京都旅行)とを出来る限り乖離なく結び付けること,
(3) 二度目に訪れる京都旅行を有意義なものにするための計画を科学的な根拠に基づいて論理的に提案すること, の3点です。
デザイン理論・手法
【デザイン理論】  人間の認知構造の理解のために,認知心理学・実験心理学に関する諸理論およびモデルについて学び,それらを実際の生活場面・社会的場面へと応用する。 【デザイン手法】
  • デザインゲームやブレインストーミングなどによるアイディア創出
  • フィールド調査手法
  • 認知実験計画
  • 心理統計学などによるアイディアの評価
  • デザイン思考に基づくアイディアの精緻化
スケジュール
1日目
午前
  • アイスブレーキング・自己紹介
  • 目標の明確化
  • 認知心理学に関するミニ講義と認知実験に関するデモ1
午後①
  • フィールド調査(外出します)
午後②
  • フィールド調査の整理と目標の再確認
2日目
午前
  • 認知心理学に関するミニ講義と認知実験に関するデモ2
午後①
  • 具体的な京都旅行プランの作成 (基礎的な知見を社会的応用場面に活かすことを主眼に置く)
午後②
  • 最終報告に向けた取りまとめとプレゼンの準備
最終日
午前
  • プレゼンテーション準備
午後
  • プレゼンテーション