日本の製造業の発展は、素材技術や加工技術のたゆまぬ進化によるところが大きいことを疑うものはいないであろう。一方で、日本らしいという観点においては、着物、たたみといった天然素材に由来するものへの期待は高いが、ビジネスという観点で天然素材の利活用に成功しているプレイヤーはけして多くない。
今回は天然素材の中でも「竹」に着目してみたい。
戦後、日本のさまざまな地域で、竹(モウソウチク)が積極的に植えられてきた。しかし、近年では輸入タケノコの増加、竹製品の利用減少に伴い、国内産の竹のニーズが減少している。また竹林の管理者の減少に伴い、放置竹林が問題となりつつある。京都においても、放置竹林の拡大防止、伐採した竹の利用を積極的に推進している。
http://www.pref.kyoto.jp/yamashiro/no-nourin/bamboo01.html
これまでにない「竹」の用途をデザインすることにより、多様化する社会に対する天然素材というオルタナティブの提案とともに、京都を始めとする地域課題の解決にも寄与することができる。敢えて「バカげた使い方」とすることにより、既存の枠に囚われない用途のデザインに挑戦したい。
本テーマは、長年にわたって日本サムソンのデザインセンター長を務めた吉田道生氏(
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0509/21/news001.html)と、世界を代表するデザインファームであるZIBA Tokyo代表の平田智彦氏(
http://www.design-consul.net/members/profile/prof62.html)という日本企業におけるプロダクトデザインを知り尽くすお二人とともに実施する。