02 京都のマンションの安心のデザイン:防災面を中心に

↑クリックして概要スライドを拡大
皆さんが住んでおられるマンションは災害時にどうなるのか?災害時や復旧・復興時の課題は何か?身近な問題にも関わらず何も手が付けられていないのが現状ではないでしょうか?このテーマでは、防災の専門家に話を聞いたり、実際にヒアリングをしたりしながら、皆さん自身の手で課題を明確化していただくとともに、4面会議システムという手法を用いて実際に、そのための組織や行動計画のデザインを体験していただきます。4面会議システムは、防災計画の場面ではもとより、地域活性化のための計画づくりの技法として広く用いられてきている手法ですが、今回はこの手法の発案者である寺谷篤志氏やその普及に尽力されている平塚伸治を講師としてお招きします。大変貴重な機会です。ぜひともご参加ください。
実施者
氏名 |
所属 |
専門分野 |
多々納 裕一 |
京都大学 防災研究所 |
防災計画 |
畑山 満則 |
京都大学 防災研究所 |
防災情報システム |
松田 曜子 |
関西学院大学 災害復興制度研究所 |
市民参加型の防災まちづくり |
寺谷 篤志 |
一般社団法人 興士舎 |
まちづくり論 |
平塚 伸治 |
一般社団法人 興士舎 |
まちづくり論 |
課題内容
災害が発生した場合に、マンションはどのような状況におかれるのだろうか?
災害が発生した直後の対応や、復旧復興に向けた取り組みなどをうまく進めるためには、何を準備しておくことが必要なのだろうか?
本テーマでは、京都市内のマンションを題材にして、災害に対してしなやかに対応できるマンションの自治会の仕組みや取り組みのデザインを試みます。
デザインに際しては、4面会議システムという手法を用います。これは、鳥取県智頭町のゼロ分のイチ村おこし運動の中から生まれてきた手法で、現在までにもまちづくりや参加型防災計画づくりの場面で用いられてきた手法です。具体的に取り組むテーマを仮に決めて、対象とする地域の現状と可能性をSWAT分析によって明らかにします。その上で、ブレーンストーミングを実施し、何を成すべきか、皆で対応策をできる限り洗い出していきます。この過程で得られた施策の原石を4面会議によって磨き、行動計画へと結晶化させていきます。すべての過程で、参加者の意見が求められ、そして、問題意識や状況の認識の共有化、目標と手段の共有化などが図られます。参加者の皆さんには、協働のデザインを必要とすべての局面において役に立つスキルを培っていただけると思います。
教育目標
ブレーンストーミングの技法、4面会議を用いた行動計画の立案手法、ディベートを用いたアサーティブな議論作法の習得
デザイン理論・手法
【デザイン理論】
参加型防災デザインの理論に関しては、多々納が講義する。
【デザイン手法】
4面会議システムについては 「寺谷・平塚『地方創生から地域経営へ:まちづくりに求められる思考のデザイン』、仕事と暮らしの研究所、2015」という文献を提示し、かつ、寺谷・平塚・多々納が講義する
スケジュール
1日目
午前
- テーマ設定の趣旨の説明と参加型防災デザインの理論:講義(多々納裕一)
- 京都の災害リスクを知ろう:講義(多々納裕一)
- 京都のマンションが抱える諸課題:講義(寺谷篤志)
午後①
- 災害でマンションはどうなるのか:講義(松田曜子)
- 移動:ヒヤリング@二条パークハイツ
午後②
- KRP:ヒヤリングの振り返りとSWAT分析
- デザインの方向性の決定(思考のデザイン化とコンセプトの明確化)
2日目
午前
- ブレーンストーミング:課題解決策の列挙
- 4面会議図の作成
最終日