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07 2050年の京都の交通をシミュレーションで予測する
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関係者・関係組織
実施者
金月 寛彰(京都大学 情報学研究科)
石田 亨 (京都大学 情報学研究科)
守屋 和幸(京都大学 情報学研究科)
服部 宏充(立命館大学 情報理工学部)
村上 陽平(京都大学デザイン学ユニット)
課題内容
本テーマでは,京都の交通に着目して2050年の京都の将来をシステムダイナミクスを用いて予測することを試みる.
著書「成長の限界」では1972年に「人口増加や環境汚染が続けば成長は限界に達する」との警鐘を鳴らし,その意義は高く評価されている.この「成長の限界」で用いられたシミュレーションはシステムダイナミクスと呼ばれ,要素の因果関係を図式で表現した数値シミュレーションモデルの一つである.
本テーマでは,この手法を用いて京都地域における交通の将来展望について予測する.将来の交通を予測するには,たとえば,少子高齢化の進む社会では交通がどのように変化するかを考える必要があるだろう.他にも,電気自動車の普及や,国土交通省が進めるコンパクトシティの影響が長期的にどのような影響をもたらすのかなど様々な因果関係を考慮せねばらない.それら因果関係を洗い出し,参加者はモデル化を行う.さらには,フィールドワークを通して,数字ではわからない潜在的な問題を発見し,モデルに組み込むことを考える.フィールドワークではパークアンドライドの利用者や京都市の交通関係者にインタビューを実施する.道路混雑の緩和のために京都はパークアンドライドなどの施策に取り組んでいるが,それらの施策が効果的に機能しているのかどうかを調査する.
ブレインストーミングからいくつかのシナリオを抽出し,どのような未来があるのかを予測する.シミュレーションを用いて将来の都市交通をデザインすることで,様々な疑問に答えることを試みる.
教育目標
本テーマでは,対象をモデル化するシステムダイナミクスを用いて社会を分析すると同時に,潜在する問題の発見のためにフィールドワークを実施する.
現地調査を通して潜在する課題の発見をし,そしてそれを解消するための社会のシステムやアーキテクチャのデザインに繋げる方法について学ぶ.地域の抱えている問題および統計情報等をどうシミュレーションに組み込むかが課題となる.
デザイン理論
社会シミュレーションの技法(日本評論社,2003)などを参考文献として,社会の構造理解と動態予測のためのシミュレーション理論について学習する.
デザイン手法
フィールドワークにより,利用者や交通の関係者に直接インタビューを行う.
システムダイナミクスを用いた理解と予測に基づき,課題の発見と解決を図る.システムダイナミックスのツールとしてはVensimを利用する.
スケジュール
一日目
午前
  • 本テーマの主旨について説明を行い,その目的と方法を十分に理解する.
  • 京都市・京都府の統計資料を調査し,また種々の未来予測から2050年の境界条件を推定し,京都交通の諸問題を把握する.
午後
  • フィールドワークを実施する.パークアンドライドの利用者や京都市の交通関係者へのインタビューや,パークアンドライドを実際に利用するなどの現地調査を通して,潜在した諸問題を洗い出す.
ニ日目
午前
  • 1日目の活動によってフィールドワーク調査から得られた現状の問題点から,シミュレーションのモデルを修正し最終決定する.これらのモデルがもたらす結果について仮説を形成し,シミュレーションによって確認する.シミュレーション結果を基にデザイン課題の解決シナリオを列挙する.併せて,得られた解決シナリオの意義と限界について考察し,京都市への提言という形でまとめる.
午後
  • 発表の方法について検討する.
三日目
午前
  • 発表資料をまとめる.
午後
  • プレゼンテーション