「100人でつくる京都地図」は、100人で京都の街をぷらぷら歩いて、「みんなの街の感じ方」を地図にしてしまおうというイベントです。参加者の皆さんにしていただくのは、街を歩き、感じたことを携帯電話で発信することだけ。そのみんなの「感じ」を集めると、新しい地図ができあがります。シリーズ化を予定していますが、第1回として京都の中心地、「三条・四条編」を開催します。
またこのイベントは、デザイン学ユニットの教員である荒牧准教授と北助教が、それぞれの研究をドッキングさせるかたちで生まれました。デザイン学らしい、分野を横断したコラボレーションにより、これまでになかった地図、そして街歩きの楽しさをデザインしてゆければと考えています。
詳しくは特設ホームページをご覧いただき、そちらからお申し込みください!
日時:2013年7月27日(土)13:00~18:00
会場:「コープイン京都」およびその周辺(南北は御池通~四条通、東西は鴨川~烏丸通の範囲)
参加費:無料
持ち物:フル充電した携帯電話だけ
募集人数:先着100人
主催:京都大学デザイン学大学院連携プログラム
共催:JSTさきがけ
問合せ先:100ninmap*design.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
報告:
「100人でつくる京都地図」は、100人で京都の街をぷらぷら歩いて、「みんなの街の感じ方」を地図にしてしまおうというイベントです。参加者の皆さんにしていただくのは、街を歩き、感じたことを携帯電話で発信することだけ。そのみんなの「感じ」を集めると、新しい立体地図ができあがります。
13時開始のイベントには、学内外、老若男女の54名もの方にご参加いただきました。まず主催者側からイベントの趣旨や、発信サイト「100ninmappin」の操作方法の説明。スタッフで試しに歩いて作成した立体地図が映し出されると、早くも「お~」という声が上がりました。またこのイベントのもう一つのお楽しみは、チーム対抗のミニゲーム。「つぶやき回数賞」「つぶやき文字数賞」「いろいろ行ったで賞」などの各賞を、5~6人編成の10チームで競います。初めてのメンバーと顔を合わせて打ち解けたところで、街に飛び出しました。
歩き方は人それぞれ。範囲内を黙々と歩いて発信する人もいれば、チームで一緒に買い食いをしたり、プリクラを撮ったりした人たちも。チーム内ではつぶやきの履歴が共有されるので、途中で待ち合わせてお茶を楽しむチームもありました。この日は薄曇りで暑くもなく、絶好の街歩き日和となりました。
3時間の街歩きを終えた参加者は、「コープイン京都」の会場へと再び集まりました。ここからいよいよできた地図を鑑賞します。立体地図のシステムに「カフェ」「浴衣」「おいしい」などキーワードを入力すると、その言葉がどこでつぶやかれたかが棒グラフのように表示されます。たとえば「おいしい」だと「京都の台所」錦市場につぶやきが多く、「涼しい」なら鴨川や高瀬川に集中します。それぞれが自由な歩き方をしても、多くのデータが集まることで、ある程度共通の傾向が見られるわけです。さらに、棒グラフをクリックするとそこでつぶやかれた言葉が表示されます。そこでは京都通の参加者の歴史に関する豆知識が披露されたり、プリクラを撮ったチームの盛り上がりが言葉にあらわれていたり…。会場には笑いが絶えませんでした。こうして、全体の傾向とともに具体的でマニアックな言葉も見られるという両面性が、このマップの魅力でもあります。
その後は各賞の発表があり、たくさんのチームが受賞しました。また当日KBS京都テレビの取材があり、そしてイベント終了間際に放送されたニュー ス番組内で流れ、それを皆で見るというお楽しみもあり、イベントは終了しました。
事後のアンケートで9割以上の人が「楽しかった」と答えるなど、非常に満足度の高いイベントになりました。得られたデータは今後分析し、街づくりやシステム開発に活かされる予定です。また今後回を重ねることで、観光地図のアプリ開発や、街歩きワークショップの手法としての汎用化を狙っています。デザイン学ユニットの荒牧特定准教授(自然言語処理)、北特定助教(建築・都市計画)、宮部特定研究員(ヒューマンコンピュータインタラクション)という異分野のメンバーがコラボレーションする、デザインスクールらしいイベントにもなりました。
イベントのより詳しい内容はこちらから。
http://www.100ninmap.com/